顧客に価値を認識させる企画書の作り方


 

はじめに

素晴らしい企画書をつくり顧客をあっと言わせられたらどんなにかっこいい自分になれるでしょうか。   企画書を作って顧客にプレゼンをするにあたり簡単に作成できれば時間を有効に活用できると思いませんか? 新卒の方や、急な部署移動、転職等で慣れない作業に初挑戦する方も少なくないでしょう。 今回は顧客に価値を認識させる企画書の作り方についてお話ししたいと思います。    

導入書の作成

まず、企画書を作成するにあたり企画書の設計図=導入書のようなものを作成することをお勧めします。 多くの方はパワーポイント等での企画書やプレゼン資料の作成を念頭に作業されると思いますが、パワーポイントでいきなり作成してしまうとかえって考える時間がかかったり、まとめているうちに支離滅裂なものになってしまうことも少なくないです。 本番の前に、下書きとして導入書を作成してみると考えていただければイメージしやすいかと思います。 導入書に必要なものは大きく分けて以下の5点です。     ■企画の目的 いうまでもなく作成者の企画意図を説明します。 この段階では端的に箇条書きで構いません。   ■企画の期間・対象者 企画を行う期間を具体的に提示します。 この際,期間だけではなく対象者も同時に記載しておくと実際に企画を説明する際、対象者がわかりやすく納得してもらいやすいです。   ■企画の概要 運用方法について記載をします。 キャンペーンや社内整備のための企画書であればフローチャートのような書き方が好ましいです。 イベントであればブースの展開方法などで、会場の大きさやテントなどの数・大きさ等を記載しておくと後々企画書として起こす際に便利です。 販売・物品作成の企画であれば資材の取引方法や取引先、作業に必要な物品、依頼先の工場のなどの候補などを挙げておくとよいでしょう。   ■企画の効果予想 この企画を行うことによって得られる効果や事象の予測を書きます。 こちらも箇条書きでは構いませんが、後ほど説明する企画書の肝になる部分ですのでしっかりと予想・筋道建てをして書いてください。   ■予算 企画を理解してもらう部分で顧客が最も気にする箇所です。 安く見積もる(=好条件だけ提示する)方法はローボールテクニックという交渉術の1つで、有効なテクニックではありますが、後々クライアントとの関係が悪くなることも多いので、避けた方が良いでしょう。 もし、金額が予想以上に膨れてコントロールできない場合は、大きな予算(A案)の他に、更に大きな予算(B案)を提示しておき、本命の大きな予算(A案)を通しやすくするドアインザフェイスというテクニックをお勧めします。      

アリストテレスの説得5箇条

次により有効的な企画書を作成するための手段です。 上記で作成した導入書をもとに実際に企画書を作成するわけですが、導入書の順番通りに企画書を作成ことはあまり有効な手立てではありません。 多くの方は自身の企画のすばらしさを理解してもらうために概要から書き始める、もしくは話の中心が概要に寄ってしまいがちですが、企画書とはプロジェクトを開始するためのつかみの部分でありプロジェクトそのものではありません。 まずは顧客にあなたの考えを理解してもらうために伝わりやすさを重要視して企画書を作成したのち、改めて顧客とともに企画を詰めていくことになります。 つまり、概要そのものももちろん重要ですが、より納得してもらう企画書を作成するにあたり重要なことは企画自体に興味をもってもらうことなのです。   そこで、より効果的に顧客に納得してもらうためにアリストテレスの説得5箇条に則って企画書を作ることを意識してみましょう。     ①聞き手の注意を惹くストーリーやメッセージを提示する 顧客にあなたの企画を取り入れた際の未来を描かせます。 顧客の立場にあった伝わりやすい語り口調で書いてみるのも面白いでしょう。 企画書作成に当たり一番重要なつかみの部分と言っても過言ではありませんので時間をかけてよく練った言葉を選びます。   こんな風に商品が売れれば素敵じゃないですか? こんな制度があれば社内がもっと活性すると思いませんか? こんな商品があればもっと便利に生活できるようになると思いませんか?   というような語り口調で顧客の希望を煽りあなたが考えた企画に興味を示してもらう書き方が効果的です。 先の導入書でいう『企画の目的』『企画の効果予想』を中心に作成すると効果的な惹きつけができます。     ②解決もしくは解答が必要な問題・課題を提示する あなたの企画の有用性を伝えるため『企画の目的』や『企画の効果予想』と対比させた達成可能な課題として現状があることを伝えるパートです。 あくまで現状把握を目的とし解決不可能な課題や疑問、解答の得られないような疑問の書き方をするのは避けましょう。     ③提示した問題の解答 『企画の概要』部分を中心に記載していくことになります。 あなたの企画を理解してもらう2番目に重要な部分です。 ここで必要なことは先述の願望に対してあなたの企画でどのように働きかけるのか論理だてて記載をし理解してもらうことです。 そのため、導入書でフォローチャート、ブース等の展開方法、資材の取引方法や取引先を決めておくとスムーズに企画書を作成することができ、企画に説得力を持たせることが可能です。 もちろん『企画の期間・対象者』と『予算』についても記載をします。 ポイントは“より具体的に”です。 期間・対象者であれば具体的な日程と人数などを記載し、予算であれば先で説明した交渉術などを用い顧客により身近で達成可能な目標として意識づけることが重要です。     ④提示した解答で得られるメリットを具体的に記載する 企画を導入した際のメリットを具体的に記載しましょう。 『①聞き手の注意を惹くストーリーやメッセージ提示する』で話した内容を実現するために実際は売り上げがどのくらい必要なのか? 期間・予算はどうなっているのか? など『③提示した問題の解答』で説明をした、あなたの企画を導入するメリットをイメージしやすいような数値・期間を意識して記載すると企画の価値を認識してもらいやすくなります。     ➄行動を呼びかける クロージングの部分です。 はじめるなら今です! 売り上げ向上のために導入しましょう! などインパクトのある言葉を使ってまとめ、企画の有用性を呼びかけましょう。    

最後に

『アリストテレスの説得5箇条』は多くのプレゼンでも使われ、かのスティーブジョブズも好んで使用している手法の一つです。 この手法を用いて企画書を作成できれば『顧客に価値を認識させる企画書』に近づくことができるでしょう。 企画書を作る=あなたの考えをアピールできる大チャンスです。 難しい課題ではありますが、是非このコラムを参考にいろいろな企画書作成に挑戦してみてください!  

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