システム制作とは、簡単に言うと「仕組みを作ること」になります。
企業でいえばIT技術を駆使して様々な仕組みを作り、業務の効率化を図ることが大きな目的といえます。それはつまり、従業員の勤怠管理のシステムや顧客管理のシステムの開発をすることです。
このシステムの制作を進めていくには、プロジェクトの管理者をはじめ、システムエンジニア、プログラマーなどの人材が必要になってきます。しかし、それらを自社内で完結させることが難しい企業もあります。そのため、外部のシステム会社に依頼する会社が多いのが事実です。
システム制作の手法
・ウォーターフォール型:工程を順番通りに完了させる方法
事前の打ち合わせを重視する方法。事前打ち合わせで念入りに固めるので実際の制作までかなり時間がかかります。
・アジャイル型:計画、設計、実装、テストのサイクルを繰り返して完成を目指す方法
完成までのスピードを重視する方法です。製作期間であれば、柔軟に仕様変更を行ってもらえる方法です。
・スパイラルモデル:工程ごとに試作品を作りながら、少しずつ完成させていく方法
こちらは、工程が完了するごとに要件チェックを行う制作方法です。各工程が完了するごとに依頼側に試作品が納品されます。柔軟に仕様変更をしながらシステム制作が進められます。
・プロトタイピング:全工程を完了させて、試作品の検証と修正を繰り返す方法
完成までのスピードを重視する方法です。試作品の提供によって検証と修正を繰り返しながら、ブラッシュアップを続けて、完成を目指していくことが特徴です。
システム制作を依頼する場合の費用、相場
費用を決めるのは主に人件費です。システム構築の料金を具体的に提示している会社はほとんどいません。理由として、システム作成の費用の算出にシステムを構築する上で必要な人数と一人当たりの作業期間が関わってくることが挙げられるでしょう。
つまり、費用を決めるのは主に技術者であるシステムエンジニア、プログラマーの人件費であり、それぞれのスキルや開発規模などによって費用の総額は大きく変わってきます。
であるからには、システム開発を行う会社は実際にどのようなシステムを構築するか、ヒアリングしてからでないと具体的な金額を提示することは難しいと言えるでしょう。
技術者の単価の相場
・上級システムエンジニア:100~160万円
・初級システムエンジニア:60~100万円
また、プログラマーは、システムエンジニアよりも安く、大手企業で50〜100万円、下請け企業や個人事業主の場合は、40〜60万円程度です。
主要システムの費用目安
開発会社は、毎回すべてのシステムを一から開発しているわけではありません。主要なシステムは、ノウハウをストックしてありますので、目安の金額があります。
・メールフォーム:3万円~
・顧客管理:20万円~
・CMS:50万円~
・ECサイト:50万円~
・検索機能:80万円~
・SNS:100万円~
費用が適切かどうかの判断基準は何か
人件費をかければ良いものができる、と言う訳ではないようです。
「大手なら間違いない」「ネームバリューがあるから」だけの理由で発注先は決めないほうが良いと言えるでしょう。システム制作にかかるコストを抑えたいときには、あえて単価の安い中小企業の開発会社を選択するのも1つの手だと言えます。
ポイントとしては、「実現したい機能や業務の具体的なイメージを持つ」「システムの使用年数をしっかり想定していく」「ASPやパッケージを使用する」「一度に全てをシステム化しない」になります。
どういう機能が欲しいのかという具体的なイメージが固まっていない状態で発注をすると、後になってからこうすればよかったというのが出てしまいます。作り直しとなると別料金となり、費用だけでなく時間もロスになります。
システムの使用年数を想定することは実はかなり難しいことでもあります。しかし、短期間とわかっているのにかなりの費用がかかることはあまり賢明ではないでしょう。
長期間使用すると思っていても、短期間で新しくしないといけなくなることも十分にかんがえられます。
また、システム構築の方法には、会社や業務に合わせて作る「フルスクラッチ」の他に、顧客管理や在庫管理といった業務ごとに一般的に必要な機能をソフトウェアとして製品化された「パッケージ」、ネットを通じて「アプリケーション・サービス・プロバイダー」といったものがあります。
やはり、全てオリジナルで制作するフルスクラッチよりもパッケージやASPのほうが搭載されている機能は一般的なものであり、必ずしも希望のシステム制作とは限りません。
システムの制作対象を明確にすることは、コスト面で安くなるだけでなく、プロジェクトを成功させる上でかなり必要になってきます。
そして、すべてをシステム会社にまるっきり任せるのはいけません。費用を抑える上で一番基本になります。各社のホームページにて記載された価格はどれも最低価格に近いです。このまま受け取ってはいけません。費用が適正かどうかの判断は、必ず別の会社にも見積もりを依頼し比較することが大切になってくると言えるでしょう。