芸術・映像・イベントなど多くの業界に存在するディレクター職には、どのようなスキルが求められるのでしょうか。
ディレクターは制作現場の監督となる立場であり、企画提案・進行管理・予算管理・運用など、その仕事内容は多岐にわたります。
自社や外部の制作スタッフと協力して作業をスムーズに進行するため、技術的かつ人間的なスキルが求められるのです。
今回は、多くの制作ディレクター職のうち、WEBディレクターに必要なスキルをご紹介します。
制作ディレクター職の種類
さまざまな業界に制作ディレクター職は存在していますが、業種によって役割は異なります。
下記でそれぞれの役割を見ていきましょう。
・アートディレクター:ビジュアルデザインの指揮・企画・プレゼンテーション、進捗状況の管理。
・映像ディレクター:映像作品の制作において、演者の演技指導やカメラマン・編集者の指揮。
・WEBディレクター:WEBサイト制作において、企画から運用までプロジェクト全体の進行管理。
・クリエイティブディレクター:企画から制作過程において、すべての指揮を執る総責任者。
・イベントディレクター:企画設計・キャスティング・導線運営など、イベントに関連する要素を統括。
他にもCMディレクター、空間ディレクター、ビューティーディレクターなど、多数存在しています。
WEBディレクターに求められるスキル
ディレクター職の中でも、WEBディレクターの需要は業界を問わず高まっており、必要な知識やスキルも多岐にわたります。
ここからは、WEBディレクターに必要なスキルをチェックしていきましょう。
テクニカルスキル
テクニカルスキルとは、WEB制作に欠かせない知識や技術、能力のことです。
JavaScript・HTML・CSSなどのフロントエンド言語、PHP・Ruby・Javaなどのバックエンド言語の機能や仕組み、動作に熟知していることが求められます。
WEBデザインやUI/UXに関するスキルは、WEBデザイナーの方向性や評価、良いプロダクトを完成させるために持っておきたいスキルです。
また、プロダクトのテキストは正確性や完成度がユーザビリティに影響するため、編集・ライティングスキルもWEBディレクターには必要です。
このように、テクニカルスキルはデザイナーやコーダーとスムーズに業務を進めるために、必要なスキルといえます。
ヒューマンスキル
プロジェクトを円滑に進めるには、コミュニケーションスキルをはじめとした、ヒューマンスキルが必要です。
WEBディレクターは、スタッフが意見を出しやすい環境構築や、相手に応じた柔軟なコミュニケーションが求められます。
また、クライアントのイメージを引き出すヒアリングスキルや、漠然としたイメージを具現化するスキルも必要になるでしょう。
さらに、チームを効率的に管理するためのプロジェクトマネジメントには、スタッフの正しい評価と適切な配置が必要です。
それには、個々の能力やモチベーションを高め、信頼されるリーダーシップスキルが求められます。
課題解決力
WEBサイトを運営する際は、さまざまな問題が発生するため、クライアントの課題を的確に把握し、解決するスキルが求められます。
さらに、アクセス解析の結果から課題を見出してデータ分析し、根拠のある施策を立案することで、改善へ導くスキルが必要です。
また、SEO・SNSを用いたWEBマーケティングや、自社サイトへ誘導するための広告やPRなど、戦略的な運営が求められます。
そのため、WEBマーケティングスキル、SEOに関するスキル、WEB広告の運用スキルについては、基礎だけではなく実践的な知識が必要といえるでしょう。
このように、変化が激しいWEBマーケティング業界は日々新しい情報が現れるため、普段からアンテナを張っておくことが欠かせません。
管理能力
WEBサイト制作は、規模や機能によって各工程に必要な時間が異なるため、納期までに余裕を持たせたスケジュール管理能力が必要です。
さらに、予算についても外注の人件費や修正時の追加料金など、限られた条件の中で成果物の予算管理を行う必要があります。
そのため、工程ごとに必要な時間を計算し、外部も含めた人件費などの費用を予算内で進行できるように調整するスキルを身につけましょう。
また、制作過程で発生する問題にはさまざまな対策が講じられていますが、トラブルには即座に解決できる能力が必要とされます。
企画能力
WEBディレクターは、クライアントに企画内容を説明する機会もあるため、ニーズに合ったWEBサービスを立案できる企画能力が必要です。
クライアントに対して提案する際は、魅力やメリットなどを明確にした、説得力のあるプレゼンテーション能力が求められます。
また、WEBデザインのトレンドは次々と入れ替わるため、クライアントからの要望に適切に応えられるような情報収集の努力や選別能力も必須です。
さらに、制作に直接関連する企画や新たな技術、WEBデザイナーなどが使うツールについてもチェックすると良いでしょう。
有益な情報を提供するには、新聞や書籍などからも裏付けを行い、知識を深めることが重要です。
ディレクターとして活躍の幅が広がるスキル
WEBディレクターには、前述したようなスキルのほかに、身につけておくと活躍の幅が広がるスキルもあります。
例えば、権利を放棄していないコンテンツの掲載は、著作権侵害やSEOの観点から不利になるため、権利に関わる知識があると役立つでしょう。
また、WEBサイトは単純な情報発信の制作目線以外に、競合他社との差別化など、他の目的を含め経営者目線で説明できるスキルも必要といえます。
さらに、新しいWEBサービスや新しいマーケティング手法のトレンドは、海外から発信されることも多いため、英語力があると有利でしょう。
まとめ
今回は、さまざまな制作ディレクターの中から、WEB制作ディレクターに求められるスキルをご紹介しました。
ディレクターの仕事内容は多岐にわたるため、それらすべてにおいて的確な判断と指揮力を発揮する必要があります。
日々進化しているWEB業界の状況を把握し、技術的なスキルだけではなく、人としての魅力や人を見る力が求められるといえるでしょう。