優秀なフランチャイザーはフランチャイジーと良好な関係を築き、効果的に加盟店を統制していますが、その秘訣はどこにあるのでしょうか。
フランチャイズの契約形態は事業者と他の事業者になりますが、ビジネスにおいては人と人の関係性も非常に大切です。
また、経験値が少ないフランチャイジーにおいては、事業以外にも目を向けて信頼関係を構築する必要があります。
今回は、フランチャイジーといい関係を築く秘訣をご紹介します。
フランチャイズビジネスとは
フランチャイズビジネス(FC事業)とは、フランチャイザー(FC本部)とフランチャイジー(加盟店)の関係によって契約が成立します。
事業者であるFC本部は、自己が有する営業権利などを他の事業者である加盟店に与え、対価を徴収します。
FC本部が定める条件や営業権利は次の通りです。
・FC本部の商業、サービスマークや名称
・FC本部が開発した商品やサービス、経営ノウハウ
・上記に関するアドバイスやサポート
加盟店はそれらの権利を使って営業し、FC本部へ契約の規定通りのロイヤリティーを支払います。
フランチャイジーとは
フランチャイジーとは、フランチャイズにおける加盟店であり、FC本部が求める条件をクリアすることで加盟店になれます。
フランチャイズでは契約時に投資費用が必要ですが、FC本部の知名度やサポートを受けて経営できる魅力があるのです。
加盟店の中にはメガフランチャイジーと呼ばれる、店舗運営を多数行っている企業があります。
その規模は、30店舗以上の加盟と20億円以上の売上額と言われますが、明確な定義はありません。
100を超える加盟店の中には株式公開をしているケースもあり、FC事業に特化した運営を行う企業と言えます。
フランチャイザーとは
フランチャイザーとはフランチャイズの加盟店を募集する企業であり、事業本部としてビジネスを運営します。
さまざまな業種が存在しますが、どの業種も加盟店に対し商標や開発した商品、経営ノウハウなどを提供しているのです。
また、フランチャイザーは普段の暮らしに密着した業種が多く、小売・外食・サービスなどの企業はよく知られています。
小売業界で代表的なコンビニは年々店舗数が増加しており、比率も同様に高い業種です。
外食業界ではカフェやファストフードチェーンが多く、フランチャイズなら個人経営より事業継続が容易になるでしょう。
サービス業界ではクリーニング店や学習塾、美容院や介護サービスなどがあります。
フランチャイジーといい関係を築く秘訣
フランチャイザーがフランチャイジーといい関係を築くには、どのような秘訣があるのでしょうか。
ここでは、3つの秘訣をご紹介します。
タイミングは開店時
フランチャイジーと関係性を構築する際、最も良いタイミングは開店時です。
加盟店は、不慣れな状況や不安を乗り越えながら店舗運営を開始しますが、来客数や目標売上、利益確保など不安は尽きません。
不安な状況と極度の緊張感が継続している時こそ、加盟店のモチベーションが最も高いタイミングといえます。
この時点で、本部のSV(スーパーバイザー)が適切に加盟店をリードすることによって、正しい方向へ導くことができるでしょう。
開店時のスタートダッシュは、今後の加盟店の業績・モチベーション・店舗運営を左右します。
そして、長期的なビジネスパートナーとして共存共栄できる体制を維持できるか否かには、SVの力量と姿勢が求められます。
関係性の維持はSV次第
フランチャイジーとの関係性を維持できるか否かはSV次第です。
SVは開業までに店舗を作り上げ、売上を確保できる体制にまで完遂し、フランチャイジーに引き継いだ後は売上確保に奔走します。
加盟店は開業前から店舗のあらゆる事柄をSVに質問し、開業後までの状況を見ているのです。
SVはスタッフの成長評価、開業間もないクレーム処理と改善、売上確保に至るまでマネジメント力をフル活用する必要があります。
今後の加盟店指導においてSVがイニシアティブを握るためには、あらゆる行動を完璧かつ迅速に成し遂げなければなりません。
真剣に向き合う姿勢
SVとFC本部が真剣に向き合うと、フランチャイジーとの盤石な信頼関係を構築できます。
フランチャイズビジネスは、知名度があったとしても開業後の売上が高いとは限りません。
販促活動や立地、時間の経過など売上を向上するには、あらゆる戦略を構築して遂行するなど中長期的な施策が必要になります。
その間に加盟店のモチベーションが下がらないよう、FC本部とSVとが適切にフォローすることが重要です。
客数や売上も大切ですが、FC本部やSVがどれだけ真剣に向き合う姿勢があるのかという点も加盟店のモチベーションを保つには非常に大切なポイントなのです。
フランチャイズにおける関係性
フランチャイズでは、FC本部と加盟店の関係性は対等であり自立した関係といえます。
なぜなら、加盟店はFC事業に加盟しますが、本部から給与が支給される訳ではなく、事業主同士の契約だからです。
また、FC事業では互いの機能や義務によって利益を生み出しており、成功するために相手の立場を理解して関係性を保っています。
FC本部による充実した研修は優秀な人材育成だけではなく、加盟店のオーナーやスタッフに共通の価値観を提供できます。
さらにSVを通して本部の理念や方針、事業目的を加盟店と共有することで、互いの利益向上につながるのです。
このように、FC事業におけるFC本部と加盟店の対等な関係性は、互いの利益を高める大切な意味があります。
まとめ
フランチャイジーと良好な関係を築くのに大切なことについてご紹介しました。
FC事業は、FC本部と加盟店の関係において、SVが寄り添い様々な提案をしながら加盟店を励まし続けられるかが肝心です。
関係性の構築は簡単なことではありませんが、SVが加盟店と真摯に向き合い、理念や知識を共有しながら発展を続けることがフランチャイズを成功に導く秘訣といえるでしょう。