広報などのPR活動で欠かせないプレスリリースは、媒体に向けた文書という意識をもったライティングが求められます。
ライティングの基本的な部分は同じですが、記者が興味を持つ内容でなければ、掲載することが難しいでしょう。
そのため、企業にとって重要な部分や認識してほしい価値を明確にすることで、記者や読み手が想像しやすい内容にすることが重要です。
今回は、プレスリリースにおけるライティングをご紹介します。
プレスリリースの目的と役割
プレスリリースの目的は、企業の公式文書を媒体向けに公表し、第三者の報道を通じて認知を広げることです。
企業活動を表明することは、顧客やマスコミという利害関係者との関係性を築く手段でもあります。
より効果的なアピールをするためには、媒体に公開するタイミングやストーリー、内容の重要性などを的確に伝える必要があるのです。
また、企業が最も重要にしている価値や目的を明確にすると、他社との差別化を図れます。
そのため、記事内容は具体的かつ理解しやすい正確な情報であることが欠かせません。
プレスリリースの基本5構成
プレスリリースの基本となる構成を5つご紹介します。
全ての構成を理解することで、より効果的なプレスリリースを実現することができます。
タイトル
タイトルは、一番重要な要素です。
プレスリリースの掲載価値を判断されるため、タイトルだけで内容に興味を持ってもらう必要があります。
例えば、瞬時に頭に入るタイトルの長さは、横一列、長さ30文字程度といわれています。
記者は、1日に大量のプレスリリースを確認しているのです。
彼らが興味を持つor持たないは一瞬で判断され、読み進めるor読まないも数秒で判断されます。
そのため、複数行に及ぶタイトルや「!」を多用するケースは、おすすめできません。
メイン・サブのタイトルは、ともに1行30文字以内に収めることを心がけることで、スッキリした内容にしましょう。
画像
画像を活用すると、企業が取り上げて欲しい内容を、より具体的に伝えられます。
一瞬で豊富な情報を得られる画像は、大きな効果を発揮するでしょう。
また、画像は文書内の掲載のほか、配信サービスやSNSなどでシェアされることも考慮した、解像度にすることが大切です。
リード文
リード文は、タイトルに続く重要な要素です。
プレスリリースが掲載されるか否かは、タイトルとリード文で決まると言っても良いでしょう。
というのも、タイトルに興味をもった記者は、リード文で本質を見極めているのです。
内容は5W2Hを押さえて、事実を具体的に1~3文かつ250~300文字程度で簡潔にまとめると、読みやすくなります。
5W2Hとは、誰が・何を・どこで・いつ・どうして・どのように・どのくらいを使って整理します。
大切なことは、記者がおよその全体像を掴める内容にすることです。
また、この項目内容は掲載時に引用されやすい部分です。
情報に漏れや誤りがなく素早く読める上に、誰もが理解できる文章にすることが重要です。
本文
プレスリリースの本文は、内容の根拠・社会的背景・展望・商品の魅力・特徴・解説を、客観的に表現します。
また、社会との関わりを意識的に伝えることを何より重要にしています。
たくさんの記事の中で埋もれないようにするには、企業のオリジナリティが必要です。
そのため、企業が広告をする必要性や、社会の役に立つ理由や説明が極めて重要と言えます。
商品やサービスをそのまま記事にすると、単なる宣伝チラシになってしまうので、企業の評価が下がる可能性もあります。
例えば、物事の性質や状態を表す形容詞は、人によって捉え方が異なるため、数字で表現すると読み手の誤解を防げるでしょう。
業界では日常的に使われている専門用語も、読み手に通じるとは限らないため、分かりやすい言葉に置き換えるなどの配慮が大切です。
連絡先
記事には、連絡先を忘れずに記載しておきましょう。
記者が内容に興味を持った場合は、タイムラグが生じるメールより、電話連絡を利用することが多いのです。
電話であれば、メールよりも円滑なコミュニケーションを取ることができるでしょう。
そのため、電話・携帯電話・メールアドレスのほか、社名・所在地・担当者の名前を必ず記載しておきましょう。
プレスリリース作成ポイント
プレスリリースを作成する際のポイントは、結論から書き出して伝えたいことを簡潔にすることで、読みやすい記事を作成することです。
そして、記事を出した経緯や社会的背景なども、客観的に示すことが重要です。
5W2Hを使って時制を整理し、やさしく分かりやすい言葉を意識しながらまとめると、より伝わりやすい文章をつくることができるでしょう。
まとめ
今回は、プレスリリースにおけるライティングについてご紹介しました。
プレスリリースを行う際は、その目的と役割を理解する必要があります。
また、今回ご紹介させて頂いたような基本構成なども参考に、伝えたいことを具体的かつ簡潔に表現することが大切です。
このように、いくつかのポイントを押さえることで、媒体や消費者の興味を引くプレスリリースを行えるでしょう。