動画を作る手順-コンテの書き方

企業の認知拡大や集客のために、動画を作成する方が多くいらっしゃいます。 動画を作るときは、制作する意味や目的を全ての関係者が認識し、共有することが重要です。 コンテは、脚本をもとに必要な情報や全体のイメージを記し、作業をスムーズに進める指示書です。 また、配信方法によって世界観の向き不向きがあるため、効果的な作品作りを検討する必要があります。 今回は、コンテを作るときの書き方やポイントを見ていきましょう。

コンテとは

コンテは動画の設計図であり、制作に携わるスタッフが迷わずに作業を進めるための指標です。 その内容は、脚本をもとに1つの画面(カット)に、必要な情報を集約したものです。 例えば、絵・内容・セリフ・カメラの角度・役者の動作・効果音・撮影順序などが書かれています。 また、コンテは制作に携わるスタッフやキャストが、情報を共有する指示書になります。 そのため、表現や認識のズレが出ないように作らなければなりません。 特に、重要な部分や企業の強み・商品購入の誘導・競合他社の差別化など、動画のキーになるシーンは、十分に確認しておきましょう。  

コンテを書くときの準備

コンテを作るには、目的・ターゲット・配信媒体など、効果的にアピールするための下準備が重要です。 動画を作る目的や作品の軸になるものを明確にし、目的に合わせて戦略の方向性を定めます。 ターゲットは、属性ごとに訴求ポイントがあるため、具体性が増すと、より強い戦略を立てられます。 配信は、公式サイトや交通広告のほか、TwitterやFacebook、Instagramなどを利用するのが、一般的です。 適切な下準備をしておくと、長さや世界観が適切で効果的な動画を作ることができます。      

コンテの書き方

次にコンテの書き方を簡単に解説します。 ここでは、3つの手順を押さえておきましょう。  

ナレーションを書く

コンテは最初に全体のセリフやナレーション、シーンの説明を記載すると、後に書く絵が自然につながります。 セリフの文字数は、1分間で180字前後が目安です。 それぞれのカットごとに必要な時間を記載するため、必ずストップウォッチで秒数を計らなければなりません。 計測する際は、聞き取りやすく伝えることを考慮し、日常会話よりもゆっくりと音読します。  

コマ割りを決める

原稿が出来上がると、次にカット(コマ)割りを決めます。 ちなみに、複数のカットで構成された場面をシーンと呼びます。 実写の場合は、撮影された映像=秒数なので、コンテの1カットは基本的に3秒まで、長くて5~6秒です。 また、アニメーション動画の場合は、あらかじめカットごとの秒数を決めておく必要があります。 実写の場合は、時間を計測して各シーンに区切った後、カメラの角度や演出を詳しく記載します。  

絵の部分を作成する

全体の原稿とカット割りを決めたら、絵の部分を作成します。 コンテは、各スタッフがト書きやセリフを見て、各々のカットで絵や演技の情報を共有しながら、作業を行います。 重要な点は、全体像をイメージできるか、伝えられているかです。 素早く正確な絵を書くには、思い描く内容に近いものを参考にすると書きやすくなります。 また、作品のテイストに合わせたサウンドのほか、文字のテロップなども考えておくと良いでしょう。

コンテを書くときのポイント

コンテを書くときは、イメージを思い描きながら次のポイントに着目することが重要です。  

シーン別に変える

コンテは、シーンごとに用紙を変え、使い分けるのがおすすめです。 使用する用紙は、インターネット上で様々な様式やサイズがあるため、使いやすいものを選ぶとよいでしょう。 コンテは、特定のフォーマットはありませんが、媒体によって縦横比が異なるため、注意が必要です。 例えば、スタンダードサイズの16:9はYouTube、テレビは4:3、Instagramなどは正方形、TikTokなどでは縦動画用のコンテ用紙があります。  

いきなり書き始めない

コンテは、絵から書き始めずに、まずどのようなカットで撮影するか、人や景色など全体像を思い描きます。 次に、そのうちの1つのシーンを具体的にイメージして、書きだすことを繰り返し、情報を少しずつ加えていきます。 撮影場所や衣装など、できるだけ具体的に思い描くことができれば、スタッフ間での情報共有がスムーズに進むでしょう。  

上手に書かなくていい

コンテは、上手な絵を書かなくても、意味が分かれば良いのです。 各カットで必要な情報を制作に携わるスタッフが把握し、共有できたらコンテは成立します。 例えば、人を書くときは丸に十字を組み合わせると顔を認識でき、自然に顔の向きが分かるので、身体は簡潔に書いても問題ありません。 景色もカメラの角度が分かれば良いため、必要に応じて適宜文章で補足しましょう。  

コマとシーンのバランス

コンテを作るときは、それぞれのコマだけではなく、シーンの全体バランスを見ることが大切です。 カット割り・シーン・全体で各々の大きさを確認し、過剰に強調している部分がないか、カット割りが短くないかを見極めます。 全体像を見て、シーンの入れ替えや書き足しを行い、バランスを整えると良いでしょう。 この際、シーンごとに用紙を変えていると、作業を行いやすくなります。    

まとめ

動画を作る手順のうち、コンテの書き方やポイントをご紹介させていただきました。 作業を始める前は、イメージや想像を働かせ、思い描く内容を繰り返し書き出すことが大切です。 膨大な作業は難しいかもしれませんが、慣れてくると様々なシーンを書けるようになるでしょう。  

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