ひらめきや思いつきという意味のインスピレーションを、鍛える秘訣は存在するのでしょうか。
会話の中で「パッとインスピレーションが湧いた」と、突然ひらめいたと話す人は、特別な訓練をしている訳ではありません。
しかし、五感を刺激しながら心身ともに安定した状態を保ち、視野を広げて自身の経験を増やすことで、インスピレーションを鍛えられるかもしれません。
一方で、インスピレーションは鍛えるものではないという考え方もあります。
そこで今回は、インスピレーションの意味や鍛え方をご紹介します。
インスピレーションとは
インスピレーションとは、ひらめきや思いつき、直感などの意味があります。
例えば、芸術家や音楽家が作品をつくるとき、インスピレーションが湧いたと表現されることがあるでしょう。
では、そもそもインスピレーションは、なぜ湧いてくるのでしょうか。
インスピレーションについて数十年にわたって研究した心理学者は、インスピレーションを受けているときに、3つの特徴が現れると提唱しています。
それは、新たな可能性を見いだせる、外からの影響を受け入れる力がある、活力にあふれモチベーションが高いことです。
インスピレーションを無理やり受けることはできませんが、磨きをかける環境をつくることはできます。
インスピレーションを鍛える
インスピレーションを鍛えるための方法には、どのようなものがあるのでしょうか。
前述の特徴を思い出しながら見ていきましょう。
五感を刺激する
インスピレーションを鍛えるには、五感を刺激して感性を磨く方法があります。
五感は危険をキャッチする重要なセンサーであるため、五感で得た情報は瞬時に脳で処理され、次の命令が下されるようになっています。
しかし、脳が疲れていると五感が鈍くなり、集中力や記憶力にも影響するのです。
鈍くなった五感を刺激するには、自然豊かな環境に行ったり、日々の生活で意識的に刺激することが大切です。
例えば、空を見上げて視覚を刺激したり、好きな音楽や虫の音、草木を踏みしめる音などで聴覚を刺激すると良いでしょう。
心を健康に保つ
心が健康でストレスがない状態は、外部からの影響を上手く受け入れられるので、インスピレーションを鍛える際に役立ちます。
情緒が安定していると感覚や感情が素直になり、他者とも建設的でより良い関係を築くことができるので、目的や意義を前向きに考えられるでしょう。
また、心を健康に保つことで心が成長するため、インスピレーションを磨く下準備にもなります。
そのため、インスピレーションを鍛えたい際は、まず心を健康に保つ意識をしてみましょう。
高い思考を持つ
高い思考を持つと、短時間で質の高いアウトプットを行えるため、インスピレーションを鍛えることができます。
経験や学習で得た知識から、物事を見出す引き出しが多くある人は、高い思考を持っているといえるでしょう。
多角的な視点を持って物事を観察すると、これまで気付かなかったことに気付くため、インスピレーションを鍛えることができるのです。
また、自分の立場や状況などを変えて物事を見る習慣は、考え方を柔軟にさせるので、これまでよりも高い思考を身につけることができるでしょう。
未体験を選ぶ
インスピレーションを鍛える際は、未体験のものを選んで新たな可能性を見出すことが重要です。
数々の新しい体験は、具体的で応用しやすいため、それらを自分の引き出しにインプットする必要があります。
例えば、行ったことがない場所や会ったことのない人、食べたことのないものなど、初めての体験を増やすことで、自分の引き出しが多くなるのです。
さらに、初めての経験は鋭く記憶に残り、脳に新鮮な刺激を与えて活性させる作用もあります
他にも、少し違う角度からのアプローチですが、いつも使っているマウスを利き手とは逆の手に持ち替えることで脳を刺激する、という方法もあります。
インスピレーションは経験則
ここまではインスピレーションを鍛える方法をご紹介しましたが、「インスピレーションはこれまで積み重ねた経験則から導き出される」という考え方もあります。
多くの経験の引き出しからその状況に適した最も良い選択を、脳が瞬時に判断しているのです。
そのため、インスピレーションは降って湧いてくるものではなく、自分自身の経験により導き出されるものともいえます。
そのため、情緒が安定した状態で高い思考も持ち、様々な経験を増やすことがインスピレーションを高めることにつながるのです。
まとめ
今回は、インスピレーションを鍛える秘訣をご紹介しました。
ご紹介した方法は、インスピレーションを鍛えるだけでなく、健やかに生きるうえで大切なことです。
また、感覚は人それぞれなので、インスピレーションをテレパシーのようなものと感じる人もいるでしょう。
インスピレーションは、人によってさまざまな捉え方があります。
これまでの経験則から導き出されることも、ひとつのインスピレーションといえるのです。