マーケティングリサーチについては見聞きしたことのある方も多いでしょう。もしかしたら、アンケートに回答するなどの形で消費者としてマーケティングリサーチに関わったことがあるという方もいるかもしれません。ここでは、改めてマーケティングリサーチとは何なのかについて詳しく解説していきたいと思います。
未来のニーズを探るためのマーケティングリサーチ
マーケティング活動の中ではさまざまな課題が発生するものです。例えば、企画であったり、何かしらの働きかけをしたのであればその効果の検証であったりとやるべきことは本当にたくさんあります。その課題に対するデータをいろいろな手法で収集し、分析をおこなうのがマーケティングリサーチです。
収集したデータや分析したデータというのは、貴重なサンプルです。そこから見えてくるものがたくさんあります。今はインターネット社会ですが、インターネットが普及したことによって、マーケティングリサーチはより身近なものとなっています。中小企業から大企業まで企業の規模に関係なくマーケティングリサーチをおこなうようになりましたし、消費者がマーケティングリサーチに参加する機会も増えました。
マーケティングリサーチというと消費者の気持ちを知るためのものというイメージがあるかもしれませんが、その根本にあるのはマーケティングにおける目標達成のために最適なルートを見極め、その確率を上げることと言えるでしょう。要は、失敗をしたくないからこそマーケティングリサーチをおこなっているのです。
また、マーケティングリサーチはいわゆる市場調査と混同されがちです。ただ、市場調査がこれまでの実態を把握するためにおこなうのに対して、マーケティングリサーチというのはこれからの未来のニーズを探るためにおこなっていくものです。ただし、場合によっては、市場調査とマーケティングリサーチの両方の要素を持っているような調査もあります。
マーケティングリサーチでよく使われる手法
未来にニーズを探るためのマーケティングリサーチなのですが、一口にマーケティングリサーチと言ってもいろいろな手法があります。マーケティングリサーチでよく使われる手法についても触れておきましょう。
【インターネット調査】
インターネット調査というのは、いわゆるインターネットアンケートによる調査です。インターネットが使える環境にあれば、いつでもどこからでも参加することができます。今はアンケートサイトなども多く、積極的に参加している消費者の方も多いでしょう。
インターネット調査においては、やはり時間をかけることなく実施できて、それなりのサンプル数が集まるという部分がメリットになってくるかと思います。コストパフォーマンスの面でも優秀なので、インターネット調査はさまざまな企業が積極的におこなっています。消費者にとってもハードルが低いので、答えやすいでしょう。
ただし、インターネット調査になってくると手軽だからこそ適当に答えてしまうという方もいます。入力をやり直したいのにそれができずに、そのまま間違った入力で送信せざるを得なかったという方もいるかもしれません。それにインターネット調査をきっかけに、まだ世間に公開されていない商品やサービスの内容が流出してしまうというリスクもあります。
こういったデメリットに関しても、十分に理解しておくことが大切です。
【郵送調査】
郵送調査は文字通り、アンケートを対象者に郵送して、記入後に返送してもらうという手法になります。いわゆるアナログなやり方になりますので、企業が実施するケースというのはかなり減ってきている印象です。一方で、対象者の住所などを確実に把握している自治体などのアンケートでは郵送調査が採用されるケースが多いです。
対象者の名前と住所さえわかれば、郵送調査は可能になります。特に、高齢者の方だとインターネットなどのことがよくわからないというケースも多く、郵送調査だからこそ声を拾い上げることができるという部分もあります。
スクリーニングも必要ないですし、ターゲットの名前と住所がわかっていればダイレクトに調査が可能です。
一方で、名前や住所といった個人情報の把握がひとつのハードルになってきます。それに郵送調査というのは期限を設けていてもその期限を守らないケースもありますし、アンケートの回収するまでにそれなりの期間が必要になってきます。可能性としては低いのですが、郵送だからこそその過程で紛失してしまうようなこともあります。
【訪問調査】
訪問調査というのは、調査員が対象者の自宅や職場などに実際に訪問してアンケートを実施するというやり方になります。場合によっては、近くのカフェであったり公園であったりと場所を指定できることもあります。商品やサービスをその場で試してもらうというケースもあります。
訪問調査では対象者と直接対面することになりますので、アンケートに対する回答をさらに深堀できるのがメリットになってきます。ただ、数が必要になる場合には、時間もコストもかなりかかってしまうのでその点がデメリットになってきます。
特に、今は新型コロナウイルス感染拡大の影響がありますので、ソーシャルディスタンスの問題やそもそも家に人を入れたくないという方もいます。マーケティングリサーチの手法としてはハードルが高くなっていると言えるでしょう。
【会場調査・CLT(セントラルロケーションテスト)】
会場調査・CLT(セントラルロケーションテスト)というのは、調査会場を用意して、そこで対象者にアンケートをおこなうというやり方になります。インターネット調査で事前に対象者を募集することもありますし、通行人にその場で声をかけて調査に協力してもらうということもあります。
基本的に会場調査・CLT(セントラルロケーションテスト)では調査員が立ち会うことになりますので、情報の流出などのリスクは抑えられます。会場を押さえるからこそ、商品やサービスを試してもらうこともできます。
ただし、会場を抑えるからこそかなりのコストがかかります。数を確保するためにはある程度の期間も必要になってくるでしょう。しかも、今は新型コロナウイルス感染拡大の影響がありますので、会場での調査に対して消極的な方のほうが多いかと思います。
【ホームユーステスト】
ホームユーステストというのは、対象者の自宅で実際に商品やサービスを試してもらって、その後、アンケートに回答してもらうというやり方になります。食品から飲料、化粧品などいろいろなもので実施されています。
基本的に家にいながら協力ができるということで、消費者にとってもハードルが低いです。普段通りの生活をしながら評価してもらえるので、実際に使った場合のリアルな声を聞けるのも魅力です。ただ、正しく使ってもらえるかどうかがわからない上に、アレルギーなどへの配慮も必要になってきますので大変な部分もあります。