日本には古くからお寺や神社があり、折に触れて訪れる方も多いのではないでしょうか。
お寺と神社の雰囲気は似ていますが、それぞれの参拝方法は異なり、建築様式も古い建物ほど多くの違いがあるのです。
普段の生活と異なる社寺体験や、参拝時にいただく御朱印帳など、知らない世界に深い興味を持つ方が増えています。
今回は「お寺と神社はなぜここまで広がったか」をテーマにご紹介していきます。
お寺と神社の違い
お寺と神社は、昔からそこにあり馴染み深いものですが、その違いに気づく人は少ないかも知れません。
ここでは、2つの大きな違いについて、見ていきましょう。
お寺とは
お寺は、すべてにおいて仏教の考えに基づいており、お坊さんや尼さんが日々のお勤めをしています。
お寺には山門や仁王像、ご本尊、瓦づくりの大きな屋根があり、大日如来・薬師如来・釈迦如来など、さまざまな仏像が置かれているのです。
また、ご本尊は宗派によって異なります。
例えば、真言宗なら大日如来、天台宗ならお釈迦様や阿弥陀様を大切な信仰の対象として安置しています。
また、お寺の参拝方法はお賽銭を奉納した後、胸の前で両手をあわせて合唱し、香炉があれば献灯と献香を行い、静かに心の中で祈願します。
神社とは
神々が宿る神聖な場所とされる神社で祈りを捧げる対象は、世の中の自然物です。
また、最高神は天照大御神であるという考えが一般的です。
神社には鳥居と狛犬、御神体、屋根は茅や檜など、自然由来の材料で緻密に形成され、神主さんや巫女さんが、神聖な儀式を行います。
規模や格式によって社号があり、格式が高い伊勢神宮は「神宮」、他にも「宮・大神宮・大社・神社・社」があります。
また、信仰の大元の神社を総本社や総本宮と呼びますが、お寺の宗派と異なり神社間のつながりはないため、独立して運営しているのです。
神社の基本的な参拝方法は、お賽銭を奉納した後、二礼二拍手一拝ですが、境内に作法が掲示されている場合も多いです。
お寺と神社の人気が広がった理由
全国のお寺や神社の人気が広がった理由に、御朱印帳の拝受や社寺体験などがあります。
ここでは、御朱印や神秘的な体験など、多くの魅力をご紹介します。
御朱印帳
御朱印は古い昔、人々がお寺や神社へ納経し、その受領の証として御朱印の判を受け取っていたことに由来しています。
御朱印帳という帳面に、お寺や神社の印章・印影の押印があり、参拝日や寺社名、御祭神や御本尊の名前などが書かれています。
訪れた証だけではなく、お参りをして写経を納める、あるいはお経を一巻唱える意識をもつと、功徳やご利益をいただけると伝えられているのです。
また、御朱印はお寺や神社によって様々な意味をもった印があり、御朱印帳も刺繍や杉素材など、趣向を凝らしたデザインが魅力です。
御朱印を見返すと、多くの神仏と縁を結ぶ僧侶の教えや、訪れた時に感じた静寂と凛とした空気が流れる様子が蘇るでしょう。
社寺体験
社寺での体験も、お寺の魅力の1つです。
丁寧に手入れされた歴史を感じる建物で、日常の喧騒を離れ静かな環境で僧侶の話を聞き、様々な修行を体験することが可能です。
最近は、宿泊施設として設備を整え、観光に特化している雰囲気もありますが、修行の厳しさと信条を教えてくれる宿坊もあります。
例えば、禅修行は早朝振鈴の音と共に起床し、坐禅や作務、清掃、読経や法話を聞き、作法を学びながら数日間修行を行います。
また、筆や紙、自然の音しかしない空間で行う写経や、火渡り修行などの厳粛な雰囲気と迫力は、多くの人を魅了しているのです。
他にも、精進料理で感謝を学び、禅のプログラムを体験して自分と向き合うことや、茶室で行う茶道は、一度経験する価値があります。
パワースポット
パワースポットは、神聖で清浄な場所や神様や仏様がおられる場所、植物が元気に育つ場所にあると言われています。
例えば、伊勢神宮は、三ツ石・亀石・五十鈴川御手洗場・杉の木・踏まぬ石・四至神など、多くのパワースポットがあることで有名です。
また、埼玉県の川越氷川神社は、縁結びに良いと知られており、京都の清水寺には周囲に何か所もパワースポットがあるため、日々多くの観光客が訪れています。
他にも、日光東照宮や久能山東照宮は、大地のエネルギーの源と言われる富士山をつなぐ延長線上に位置しているパワースポットとしても人気です。
このように、お寺や神社のパワースポットは、多くの人が身も心も元気になることや、運気を変えたいと願い訪れている場所です。
まとめ
今回は、お寺や神社がなぜここまで人気が広がったのかをご紹介しました。
近年は、映画やアニメの人気で、日本全国のお寺や神社が異なる角度から注目され、多くのファンが訪れています。
日頃、お寺や神社に訪れない人でも、日常とかけ離れた空間は人の心に変化をもたらすことがあります。
様々なきっかけから社寺に訪れた人は、禅や御朱印、パワースポットを知り、その文化に魅力を感じるのです。
今後、お寺と神社がどのように時代と共に変化していくのかは、とても興味深いトピックだといえるでしょう。