SNSの誹謗中傷の対策方法

今では若者を中心に当たり前のように利用されているSNS。SNSはとても手軽で簡単に自分の思いや、行動を投稿することができ、他人と関わることができるコミュニケーションツールです。しかし、その機能の使い方を誤ると、人の心や人生そのものを変えてしまうこともあるということをどのくらい多くの人が知っているでしょうか。 SNSの誹謗中傷は、今や現代の大きな問題といっても過言はありません。心無い人たちの発言がたくさんの人の心を傷つけています。 日本財団のデータによると、17~19歳の男女1000人を対象とした調査で、SNS上で誹謗中傷を受けた経験があると回答した人は「12%」という結果になりました。このうちの約30%が「誹謗中傷される心当たりがない」と答えています。ただSNSを楽しんで利用しているだけなのに、心無い誹謗中傷に傷つけられるのはあまりに理不尽ではないでしょうか。   楽しく手軽だからこそ、使い方や対策を気を付けなければなりません。今回はみなさんが少しでもSNSを安心して利用できるようにSNSの誹謗中傷対策を紹介していきます。誹謗中傷をする側、されてしまう側の背景についても交えてごらんください。   ※18歳意識調査「第28回 – SNS –」詳細版 日本財団 2020年7月30日 https://www.nippon-foundation.or.jp/app/uploads/2020/07/wha_pro_eig_136.pdf    

誹謗中傷被害者側の背景

誹謗中傷を受けてしまった人にはどんな背景があるのでしょうか? 多くの人がSNSを利用していますが、楽しく発言している一方で、被害者側の行動が、誹謗中傷を助長してしまっているという背景もあります。夢中になるあまり人の批判を受けるような発言をしてしまう人もいます。炎上するという言葉はよく耳にしますよね。簡単さゆえに、軽はずみに人の批判を受けるような発言は避けなければいけません。 しかしながら、まったく心当たりがないにも関わらず誹謗中傷を受けてしまう人もいます。子供の間ではSNSいじめも問題となっており、些細なことからトラブルに発展してしまい、精神的な苦痛を受けてしまう人も少なくはないでしょう。 そういった背景には、受け手側の気遣いの欠如や、集団でいじめを助長する社会的な側面もあると言えます。 何でも自由に発言できるツールであったとしても発言には注意を払って、閲覧する側も気持ちよくなるような使い方が大事なのではないでしょうか。        

誹謗中傷する側の背景

続いては誹謗中傷する側の背景を見ていきましょう。 SNSは実際に人と会ったりせずにコミュニケーションを図ることができるというのが魅力の1つだと言えますが、逆を言えば間接的に攻撃的な発言をしやすい環境だともいえるでしょう。 SNS内では言われた側の表情を見ることもないため、攻撃的な発言をしやすいし、匿名で投稿できてしまうので、すぐに特定されることもありません。 特に、日本人は他人への気遣いから面と向かって意見を主張したり、不満を言うことができない傾向がある言われています。誹謗中傷する人の心理としては、他人を気遣う事なく欲求不満の解消や、普段の仕事や人間関係でのストレスの鬱憤を晴らすことができるツールとして使うこともできてしまうというのが背景にあるのでしょう。   そして、この心理として一番恐ろしいのが、誹謗中傷することに慣れてしまうことです。匿名だから何を言っても大丈夫。 何か攻撃できるものかないかと目を光らせる。言われる側の気持ちを考えることもなくなるこの心理は本当に恐ろしいところでしょう。   SNSで攻撃的になってしまう人は一度冷静になってその発言を本当に書き込んでいいか立ち止まって考える必要があります。そうなれば誹謗中傷で傷つく人も減っていくと思います。    

SNSの誹謗中傷の対策方法とは?

 

1. 無視をする

攻撃衝動がある人に対して、感情的に反応してしまうとさらに相手の感情を刺激して攻撃を受けてしまう状況になりかねません。こういう時は無視をするのも一つの対策手段と言えます。 またSNS内にあるミュートやブロックの機能を使い、相手を「見えなくする」ことで、深く傷つく前に相手を遮断する方法もあるので覚えておくといいでしょう。  

2. サイト管理者に削除依頼を要請する

各SNSには利用規約が定められていて、ほとんどのSNSで、誹謗中傷や個人情報の開示が禁止されているのはご存じでしょうか? サイト管理者に削除申請する事で、誹謗中傷をするコメントを削除してもらえることもあるかもしれません。削除することで少なくともそのコメントを見なくて済みます。誹謗中傷を受けた際に気を付けなければいけないのは、書き込みに直接返信したり、連絡を取ってしまうことです。自分で解決しようとはせずに、落ち着いて他に頼れることがないか探すことも必要でしょう。  

3. 警察に相談する

誹謗中傷による精神的ダメージは人によっては大変大きいものになります。精神的苦痛は計り知れないでしょう。そうなれば私生活や仕事にも影響を及ぼしかねません。あまりにもひどい誹謗中傷は警察に相談しましょう。 SNSによる誹謗中傷は刑法の名誉毀損罪や侮辱罪にあたるケースが多くみられます。ただし、警察はすべての誹謗中傷被害について動いてくれるとは限らないのであらかじめ理解しておきましょう。また、証拠となる資料の掲示も必要となってきます。刑事事件として告訴し、刑事事件として立件されれば、加害者の逮捕や刑罰を与えることができるかもしれません。大げさに聞こえるかもしれませんが、実際に誹謗中傷による精神的苦痛に耐えられず自ら命を絶ってしまったケースもあるのです。人の心を踏みにじる誹謗中傷は許されるべきではありません。  

4. 弁護士に相談する

誹謗中傷の被害にあった際は弁護士に相談するのも一つの対処方法です。近年はネットでの誹謗中傷の被害相談が増えてきているため、弁護士もそのような案件を取り扱っていることが多くなってきたと言えるでしょう。料金はかかりますが、誹謗中傷の被害を扱っている弁護士に相談すれば、誹謗中傷に当たる投稿の削除請求や、発信者情報開示請求、損害賠償や刑事告訴の請求まで任せることが可能です。また、裁判外の削除請求から弁護士に相談していれば、裁判外の削除請求から裁判上の削除請求まで一貫した対応をとることができます。ただし、信頼できる弁護士をしっかり見定めたほうがよいでしょう。 誹謗中傷の被害は一人で解決は難しいので迅速に対応してくれる専門機関に頼るのは大切な一つの手段として覚えておきましょう。    

誹謗中傷を受けないための事前対策は?

誹謗中傷被害者の背景で触れましたが、やはりSNSを利用する際には、相手を不快にさせたり、煽るような発言や投稿はしないというのが事前にできる一番の対策ではないでしょうか?その発言や投稿を閲覧する側がそれを不快に思えば、投稿者への攻撃の糸口を作ってしまうことになりかねません。ただ楽しいから、面白いからといって何でも自分勝手に投稿していいとは思えません。一人一人が相手側の立場になってSNSを利用することができれば少なからず誹謗中傷の火種が起きるのを減らすことができるのではないでしょうか。    

まとめ

いかかだったでしょうか? SNSの誹謗中傷はたとえ軽はずみな発言だとしても人を傷つけたならば、それは許されるべきではないと考えます。もし被害にあった時、大切なのは一人で悩まない事。誰かに助けを求めることは決して恥ずかしい事ではありません。身近な信頼できる人や専門機関を頼って、苦しむことがないように対策を講じていってもらえれば幸いです。楽しいはずのSNSがいつの間にか他人を攻撃する武器にもなってしまうことに悲しさや、恐ろしさを感じずにはいられません。便利さゆえに、使い方を誤れば人を傷つけることになりかねないSNSが、今後はより良い形で安心して利用されていくことを願うばかりです。    

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