フランチャイズというのは成功率の高いビジネスモデルではあるものの、失敗がないわけではありません。ただ、フランチャイズで失敗するパターンというのはだいたい共通点があるものです。
ここでは、フランチャイズにおけるよくある失敗例をご紹介していきたいと思います。
資金不足
フランチャイズの失敗例としてまず挙げられるのが、資金不足です。資金不足でのフランチャイズの失敗というのは、時間が経過してからではなく、比較的早い段階で起こります。資金不足にもいろいろなパターンがあります。開業資金が思った以上にかかってしまったというケースもありますし、ランキングコストを甘く考えていたというケースもあります。
資金不足で失敗する方というのは、だいだいギリギリの資金でフランチャイズを始めよとするものです。確かに少ない資金で始められるフランチャイズは魅力的かもしれませんが、だからといって資金的な余裕がまったくなくても大丈夫というわけではありません。余裕を持った資金計画でフランチャイズに臨みましょう。
資金というのは、ビジネスにおける血液のようなものです。資金不足の理由が何であれ、資金が不足してしまうと必要なお金を払うことができず、何もかもがストップしてしまいます。ビジネスが続けられなくなればどのような理由にしろ、資金が無くなってしまえば、仕入れや人件費、光熱費など店舗維持に必要なお金が払えなくなります。
金融機関からの融資など、運転資金をどこかから得られるのであればどうにかなるかもしれませんが、そうでなければビジネスを続けられず、廃業という結末を迎えてしまうかもしれません。
環境の変化
環境の変化によって、フランチャイズが失敗してしまうというケースも少なくありません。どれだけ頑張って売り上げや利益を出している方でも、環境の変化でそれまでのような売り上げや利益を出せなくなってしまうことはあります。
一口に環境の変化と言っても、いろいろなものが考えられます。例えば、近くに競合店が出店したということもあれば、市場が大きく変化するということもあるでしょう。今は新型コロナウイルス感染拡大の影響もありますが、これもまさに環境の変化です。
ただし、環境の変化というのはどこでどのようなフランチャイズをしていたとしても必ず起こり得るものです。環境が変化したからといって必ずしもすべてがダメになるわけではありません。さまざまな角度から分析していけば、どこかに生き残る道は残されているはずです。
契約条件の見落とし
昔よりはフランチャイズというビジネスのハードルが下がってきているのか、契約条件といったものをあまり真剣に確認しないまま加盟店となるという方も出てきているようです。契約条件を見落とした状態でのフランチャイズというのは、ほぼ確実に失敗すると言っても過言ではないでしょう。
フランチャイズに限らず、契約書というのはあまり積極的に目を通したくないものです。
細かな字がたくさん並んでいる上に、難しい言葉もたくさん使われています。読んでもよくわからないからと契約書をざっとしか確認せずに、そのままサインしてしまうという方もいるのです。
ただ、これは絶対にやめてください。特に、フランチャイズ契約というのはその後の人生を大きく左右するようなものです。自分の目で確認して、わからないことがあればその都度すべてを質問して、クリアにしていくようにしましょう。それくらい契約書というのは、大切なものなのです。
契約条件の見落としということですが、具体的には競業禁止条項の見落としが多いようです。競業禁止条項というのはフランチャイズ加盟者側に対して求められる義務のことで、加盟者は本部と同種あるいは類似の事業をおこなうことを一定期間制限されます。加盟契約を解除した後も対象になるため、特に注意が必要な部分です。
その他にも、指導内容やペナルティー条項などにも注意が必要です。こういった契約条件を見落としていたばかりに莫大な違約金を請求されるようなこともあるのです。「知らなかった」では済まされません。
加盟店オーナーの能力不足
加盟店オーナーの能力不足によって、フランチャイズが失敗に終わってしまうという話も多いです。未経験の業界でもチャレンジすることのできるフランチャイズですが、加盟店オーナーとなるからには経営者としての能力も求められるようになります。
自分ひとりであればまだ経営者としての能力だけでもどうにかなるかもしれませんが、人を雇う場合には人材マネジメント能力も必要になってきます。人に雇われてきた方ほど人を雇う立場に魅力を感じるかもしれませんが、実際にやってみると本当に大変で「これなら雇われの身のほうがいい」と思う方もいるくらいです。
また、雇われていた時代に有能だった方でもフランチャイズで有能な経営者になれるとは限りません。雇われていた時代の自負がある方ほど気を付けておいたほうがいいでしょう。自信過剰で我流に走ってしまうのもいけませんし、本部のノウハウに忠実な方でもそもそものフランチャイズ選びで失敗してしまうということもあります。