現代のような情報化社会では、会社経営の円滑な運営のためにITインフラの構築が不可欠で、オンプレミスでは多大な費用がかかり柔軟性も乏しいという問題がありました。
国内外のベンダーがさまざまなクラウドサービスを提供していますが、中でもAmazonが提供しているAWSは世界中で選ばれています。
AWSは有名ですが、なぜ高いシェアを誇っているのか、サービスやメリット、デメリットを確認しましょう。
AWSとは
AWSとはAmazon Web Servicesの略で、100以上のサービスがあるクラウドコンピューティングサービスの総称です。
オンプレミスのようにサーバー機器を用意することや管理、スペースの確保などは必要ではありません。
サーバー、ストレージ、データベースなどのコンピューティングサービスを、ネットワーク上にあるクラウドコンピューティングから直接行うだけです。
パソコンとインターネットの接続環境があるだけで、大企業並みのITインフラが構築できます。
クラウド上からストレージ、メールソフト、オフィスソフトなど、さまざまな業務システムが入手できるのです。
代表的な4つのサービス
AWSには100を超えるサービスがあるので、それぞれできる内容が異なりますが、中でも代表的なものを4つご紹介します。
Amazon EC2
Amazon EC2は必要に応じてスペックを変更できる仮想サーバーを作ることや、利用できるサービスです。
以前はネットワーク構築といえば大変な作業だったのですが、仮想サーバー上では数分で完成することができます。
複数作成して始められ、ハードディスク、メモリの増設も、モニター上で簡単に作業することができるでしょう。
仮想ネットワークの環境もあるので、冗長化に際してユーザーが意識する必要はありません。
Amazon S3
Amazon S3はオブジェクトストレージサービスの一種で、保存できる容量やファイル数に限りがありません。
また、イレブンナインという非常に高い耐久性があり安全なデータの利用が可能です。
オブジェクトのファイル単体での出し入れが可能で、柔軟に対応可能なストレージ機能があります。
単純なバックアップ先、処理前後でのファイル分別や、静的ファイルの配信が可能です。
便利なツールや独自機能が豊富なので、あらゆる方面で役立つシステムを構築できます。
Amazon RDS
Amazon RDSはリレーショナル型のデータベースで、セットアップしなくても利用できる環境が整っており、契約後すぐに使えます。
MySQLやPostgreSQL、Oracleなどを画面上で簡単に作ることができるのです。
冗長化、バックアップなどもモニター上で操作でき、データベースのサーバーを管理することもありません。
リレーショナル型データベースは、情報の整合性や管理の効率化に優れています。
AWS Lambda
AWS LambdaはサーバレスのFaaSで、サーバーやミドルウエアの管理を必要とせず、任意のプログラムを使える環境を提供しています。
実行トリガーを豊富に選択できるため、アプリケーション同士の関連性を薄くして、サービスの改善を簡単にしたり障害の範囲を抑えたりできるでしょう。
認証やアクセス権監査の実行、ログの抽出などセキュリティ関連の処理も可能です。
リクエスト単位・従量制課金でムダがなく、毎月100万件の実行は無料でコスト削減も期待できます。
AWSを利用するメリット
ハードウエアやソフトウエアを購入しなくても良いので、初期費用が抑えられ、従量制課金のため定額制と比べてコストが抑えられます。
最新のセキュリティが常に施されており、さまざまな第三者機関認証を取得した安全な環境で、処理も不要なので管理者に労力はかかりません。
ハードウエアの管理やソフトウエアのアップデートなどの負担がなく、必要な環境をすぐに利用できることや、スペックの変更も簡単でスピーディに行えます。
また、サーバーを置くためのスペースがいらないので、その分他の用途に確保できるでしょう。
AWSを利用するデメリット
従量制の課金なので、利用の仕方により定額制と比べると高額になることがあるかも知れません。
また、毎月の費用が想定できないので、おおまかな費用を知っておく必要があります。
現状のサービスが100種類以上あり今後も増加すると考えられます。
サービスを利用する際に、この作業にはどのサービスを使うのが最適なのか、といった選択が必要になるのです。
適切な運用を行うためには、相応のノウハウが必要になると予想されます。
サーバーなどの環境は用意してくれますが、そこから先の作業はユーザーが行うので、問題が発生した際のトラブルシュートなどの技術も必要不可欠なのです。
まとめ
AWSのサービスは多くのメリットがあり、オンプレミス環境と比べると費用が抑えられるので、ユーザーの知識次第では、有効的に利用することができます。
例えば、膨大な利用者が予想される場合と、PV数が1日数百ないし数千程度の場合なら、必要なサービスも異なってきます。
AWSを利用する際は、その目的や利用するメリット・デメリットを考えましょう。