デジタル技術の進化により、昨今では様々なデバイスから商品の購入ができます。
顧客がSNSで商品やサービスの情報を得て、企業と顧客の接点が変化する中、cxの向上を目指し成功している企業があります。
cx=商品という考え方は、商品の販売や管理をするだけではありません。
顧客が商品を購入する前から、購入後のサポートまでの経験や体験について、他社と差別化を図るための様々な価値が含まれているのです。
cxとは
cxとはCustomer Experienceの略で顧客体験と言われていますが、顧客が商品やサービスを使うときに企業との接触で体験するすべてを言います。
商品やサービスに関する価値は金銭的価値、物理的価値のほかに様々な価値があり、顧客はそれらの満足度を判断しているのです。
商品を提供する企業の雰囲気が良いことや、購入後に丁寧なサポートがあることは、商品を購入した顧客にとって満足度が非常に高くなると言えるでしょう。
cxは商品だけではなく、顧客とのSNS上のコミュニケーションや店舗での体験などを視野に入れ、良好な関係を築く必要があるのです。
cxが重要視される理由
現代社会では多くの商品やサービスが容易に手に入り、企業は顧客の行動を察知しニーズに応えるため、cxが重要視されているのです。
時代とともに便利になり、これまで以上に商品やサービスの機能性、他の価値を知りたいと顧客は求めるようにもなりました。
B2Bの購買決定者のうち80%は、B2Cと同様に便利で最適な方法で、可能な限りサービスを受けたいと思っています。
またSNSの普及により企業以外に、顧客が顧客目線で情報を発信することも考慮して、求められるものに応え差別化を図る企業努力が必要です。
実際に高いcxを得た顧客の情報により、他の顧客が追随することで注目されるため、高いcxが重要視されているのでしょう。
cxの向上がもたらすメリット
cxを向上し顧客に最良のサービスをすることは、顧客が競合他社に乗り換えるのを抑えるために大きな価値があると言えます。
実際に顧客の想像を超える高いcxを提供したとき、再び同じ商品やサービスを使う可能性が高くなるのです。
リピーターの獲得は継続的な商品購入やサービスの利用、ポジティブな口コミが高い宣伝効果を生み、企業にとって長期的な売上の維持と好影響を与えます。
顧客が商品やサービスの利用で高い満足度を感じると、企業全体に好感をもち、他の商品購入を促すことや、ブランドイメージの向上、他社との差別化につながります。
また、優れたcxの継続提供は顧客ロイヤリティを向上させ、顧客による好意的な内容が広がることで相乗効果を得ることが可能です。
cxの5つの要素
cxは5つの要素に分類でき、cxを向上することで顧客に対して体験や感情を理解し、より良いサービスや体験をつくりだすことができます。
Sense(感覚的経験価値)
人は五感で多くの価値を感じることがあり、顧客にも快適に感じられる空間づくりをすることが重要になります。
レストランやカフェなら、食事や飲み物のサービス以外に、店内のBGM、家具の配置、素材を工夫して感覚的な価値を高めましょう。
例えば、お店の料理や飲み物にレモンを使っているなら、連想するレモンの香りやオブジェを使うなど、五感に働きかけるのも良いです。
Feel(情緒的経験価値)
親切で丁寧な応対や細かな気遣いなど、感情に働きかけることで生まれる価値があることも、重要なので知っておきましょう。
顧客の感情に寄り添う接客で、信頼を得ることや感動されることも少なくありません。
企業や個人のスキルが試されるため、優れた配慮ができる企業だと思った顧客は、リピーターやインフルエンサー要素を持った顧客になってくれるかも知れません。
Think(創造的経験価値)
最新技術の商品やサービス、企業のコンセプトなどの価値は、快適な操作ができることや利便性だけではないのです。
知的好奇心を刺激されるのも価値として評価され、新しい技術を使うことや創造するワクワク感が喜びや満足感を促します。
Act(肉体・ライフスタイル的経験価値)。
日々の生活の中に新しい商品やサービスを使うことで、新しい価値を取り入れ生活が便利になれば大きな価値につながります。
顧客が普段から悩んでいることを改善できるものなら、ライフスタイルに変化を起こすことで、さらに高い価値と認識されるでしょう。
Relate(準拠集団・社会的経験価値)
集団や組織、ファンクラブに入ることなどで生み出される価値です。
他人より対象商品やサービスを知っている、という意識をもつことができるので、高い満足度が得られます。
他では得られない価値を提供することができると、長期的にサービスを使ってもらえるでしょう。
まとめ
cxという考え方について、商品を販売するだけではなく、様々な価値と一緒にサービス提供をする必要があることをご紹介しました。
デジタル化が進み、cxの環境は顧客とデジタルが関わることが多く、境目があいまいでcxとdcxとわけて考えることも無意味になっています。
どちらにおいても、顧客に対する体験や感情を理解し、現状を把握してより良いサービスを提供することが重要なのです。