WebやSNSの普及が進んで様々な企業がデジタルマーケティングに取り組み、企業と消費者を結ぶコミュニケーションチャネルも多様化しています。
近年では、ターゲットを絞ったアプローチを行い、ファンを喜ばせることを目的とするファンマーケティングが注目されているのです。
特定の顧客にアプローチする方法で成功している企業と、不特定多数にアプローチする企業との差は顕著に表れています。
マーケティングにおいて、ファンベースで成果を出すにはどのようにすれば良いのでしょうか。
ファンマーケティングとは
不特定多数に対するマーケティングとは異なり、ファンマーケティングは2割のロイヤルカスタマーにアプローチし、新たなファンを獲得し効率的に売上を伸ばす手法です。
全体の2割が全体の8割の利益をもたらすパレードの法則を、ビジネスに用いると、8割の売上を2割の顧客が生み出していることになります。
ロイヤルカスタマーはすでに自社に対する思い入れがあり、価格に左右されず常に利用してくれることで企業は安定した売上があるのです。
企業はファンベースでマーケティングを行うことで、影響力の高いファンの行動が周りの人を巻き
込み、結果的に大きな広告宣伝効果も生んでいます。
ファンマーケティングを成功させるコツ
ファンマーケティングを成功させるコツを集約すると共感、愛着、信頼です。
企業やマーケター、サロン側がファンに共感し、ファンが必要としているものやサービス、要望などを察知し、ファンに寄り添ったサービスやキャンペーンを企画し提供します。
愛着をもってもらえる商品づくりや、ファンとの接点を積極的につくり、定期的なアプローチなどの対応もしなければなりません。
ファンの信頼を得られたら、その信頼度を高め維持することが重要で、接客対応やサービス、アフ
ターフォローまで、ファンと向き合い誠実に接することが大切です。
ファンマーケティングのメリット
企業やサロンがファンマーケティングを実施する事のメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
ファンがファンを連れてくる
良い商品を見つけてファンになると、その良さを伝えたいと思う人が知人に話し、SNSで伝えることで他の顧客が興味をもちます。
ロイヤルカスタマーの口コミは、身近な友人や知人にとって高い信頼性があり、新たなファンをつく
ることにもつながっているのです。
ファン同士のカスタマーサポート
商品のファンが多くなると、話題を共有したい人も増えて、ファン同士のコミュニティができカスタマ
ーサポートの機能が備わることがあります。
Googleの公式コミュニティは、ユーザーの疑問に別のユーザーが回答し、ユーザー自身のレベルが上がるのです。
ユーザーのサポートで、Googleは事前に多くの疑問を解決することに成功しているのだといえます。
安定した売上確保
ファンベースのマーケティングで、ロイヤルカスタマーは自社商品に愛着をもち価格に左右されず、継続的に利用しています。
彼らがいることで自社商品が売れるだけでなく、購入してくれることで周囲の人も影響されて利用
する可能性が高くなり、結果的に売上の安定が見込めるのです。
フィードバックを得られる
ファンマーケティングでファンと交流する事で、今まで知り得なかったユーザーからのフィードバックを得られるようになります。
コンタクトポイントを増やし、商品の感想を発信する人が多くなれば商品の改善に役立ち、次の新しい顧客獲得へつなげることが可能です。
ファンマーケティングの成功事例
実際にファンマーケティングで成功している企業を見てみましょう。
ヤッホーブルーイング
ヤッホーブルーイングはファンマーケティングに絞っている企業で、オウンドメディアやSNSなどを活用し、多くのイベントで自社のファンを増やすことに成功しました。
熱狂的なファンが同社の商品を買い支え、自主的に知人や友人に勧め、同社はパレードの法則通り、売上の確保とファンに営業してもらうことにも成功しています。
H&Mジャパン
H&Mジャパンは接点の濃さを追求し、顧客についても分析して求められる情報や特典だけを送ることにしました。
さらに、優良顧客を世界各国で開かれるH&Mグループのファッションショーに、2名参加させることを企画しファンを熱狂させました。
ファンを巻き込み熱狂させる企画は、夢と楽しさを共有できるので、成功したといえるでしょう。
まとめ
ファンマーケティングはターゲットを絞ったマーケティングで、効率的に売上を確保できる手法です。
ファンの要望や自社の強みを把握し、発信体制を整え、共感を生むコンテンツをつくる事が重要になります。
ロイヤルカスタマーは企業を冷静に評価しているので、挑戦するような企画を提供できるのも信頼が無ければできません。
そのためには、企業と顧客の接点を増やし、関係性を深めることで信頼を強化することが大切です。