GoogleAnalyticsは、サイトのアクセス解析ツールとして非常に有名であり、無料で使えるという点が大きな特徴です。
2005年から提供が開始されましたが、これまでにさまざまなバージョンがリリースされており、その最新版がGoogleAnalytics4です。
今回のコラムは、GoogleAnalytics4基礎講座をテーマに基本的な内容をご紹介させていただきます。
GoogleAnalytics4とは
GoogleAnalytics4とは、2020年10月14日からリリースされ始めたアクセス解析ツールであり、従来のGoogleAnalyticsと比較すると最も変化が大きいバージョンと言えます。
特にレポート画面や計測方式が大きく変更されており、見た目と機能が新しくなりました。
従来のGoogleAnalyticsでは機能拡張が随時追加されていましたが、経年によりデータ保持が難しくなったことを鑑みて、今回のような一新が行われたと予想されています。
ここからは、GoogleAnalytics4の具体的な特徴を3つご紹介させていただきます。
機械学習を導入したアクセス解析ツール
GoogleAnalytics4には機械学習機能が導入され、過去のデータを解析することで、ユーザーの今後の行動予測が行えるようになりました。
例えばサブスクリプションを提供しているサイトであれば、将来の解約率などを推測することができます。
ユーザーが長期的に契約し続けることで黒字化させる方針であれば、どのタイミングで解約数が多くなるのかを予測できるのは、経営に非常に大きく役立ちます。
UXの検証がより具体的に可能
UXはユーザーエクスペリエンスの略称であり、サービスやシステムを体験したことでユーザーが得る経験を指します。
GoogleAnalytics4では、動画サイト・SNSなどの多方面から分析した結果を比較しながら閲覧できるため、1つのコンテンツに対してどの方面からのアプローチが有効だったのかなどを分析できます。
そのため、複数のメディアを使用して宣伝を行っているプロダクトに非常に便利です。
プライバシー問題に対応している
GoogleAnalytics4は、GDPRやCCPAに準拠したツールになっています。
GDPRとは、EU一般データ保護規則の略称であり、EU全体の個人情報の保護を強化することを意図した規則です。
また、CCPAはカリフォルニア州消費者プライバシー法の略称で、これは消費者にプライバシーに関する権限を与え、企業側には個人情報の管理方法について適切な対応を求めている法律です。
テクノロジーが進化していく過程で、世界的にプライバシー保護に関する対策が強化され続けています。
GoogleAnalyticsにおいても、これらの法律や規則の罰則対象に当てはまらない範囲で解析を行っているのです。
旧GoogleAnalyticsとの違い
ここまでは、GoogleAnalytics4の基本的な情報についてご紹介させていただきましたが、ここからはGoogleAnalyticsの旧バージョンとの違いをご説明します。
GoogleAnalytics4は、旧バージョンと比べて見た目が大きく変化しましたが、データ処理方法なども変化しています。
旧バージョンを使用していた方はその違いを理解することで、GoogleAnalytics4に対する知見がより深まるでしょう。
計測の形式
GoogleAnalytics4では、計測の形式が全てイベントに集約されました。
アクセス解析におけるイベントとは、クリックや商品を購入するなどのアクションを指します。
旧バージョンは、細かく計測の形式が分かれており、さまざまな方法が混在しているシステムでした。
しかし、最新のバージョンはそれらの形式を1つにまとめることで、Google側にも利用者側にもメリットがあるかたちになりました。
具体的には、数多くの実装方法を覚える必要がなくなったり、レポート画面をシンプルに表示できるようになったりなど、旧GoogleAnalyticsよりも分かりやすくなったと言えます。
Googleシグナルとの連携が強化
GoogleAnalytics4は、Googleシグナルとの連携が強化されたことも大きな変化の1つです。
Googleシグナルとは、Googleのユーザー特定IDを利用することで、クロスデバイスで使用した時の計測ができるようになるものです。
旧バージョンでは、同じ人がパソコンとスマートフォンで閲覧した時に、両方それぞれでカウントされていました。
しかし、Googleシグナルを連携させることでIDによって同一人物と認識されるため、カウントが重複しないようになります。
この強化によって、より正確な計測が可能になりました。
生データを利用できる
旧バージョンでは、収集されたデータが表やグラフになった状態で閲覧できましたが、生データと呼ばれる集計前のデータを取得することはできませんでした。
GoogleAnalytics4では、無料で生データを閲覧・取得することが可能です。
また、生データは1日単位や1イベント毎のログを詳細に見ることができるので、より分析を緻密に行いたいユーザーには非常に便利です。
かつて、生データの閲覧は有償でのみ行われていましたが、予算の関係で導入できないユーザーも多く存在していました。
GoogleAnalytics4は無料でデータを閲覧・取得できるため、非常に活用しやすいシステムになりました。
まとめ
GoogleAnalytics4の前身であるUniversalAnalyticsが、2023年7月1日をもってデータの解析を終了するという発表がありました。
そのため、今後はGoogleAnalytics4がアクセス解析の主力になることが予想されます。
GoogleAnalytics4は、従来のGoogleAnalyticsを使用してきた方が満足できる進化を遂げており、多くのメリットがある最新システムといえるでしょう。
ぜひGoogleAnalytics4を使いこなして、自社サイト等の運営を活性化させましょう。
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