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量子コンピューティングとは

デジタルの進歩や開発は非常に興味深く、根本的な変化をもたらすものもありますが、量子コンピューティングは基本的なレベルで一変させる可能性があるといわれています。
コンピューターの処理能力の向上や小型化の実現、AIやIoTなどの技術進化とともに量子コンピューティングの実証実験が進んでいます。

実用化すれば、さらに活用用途が広がると予想されますので、未来につながる新しい技術として優位性やメリット、その種類について知っておきましょう。

 

目次

量子コンピューティングとは

量子コンピューティングは、量子力学的原理に基づいて作成されたコンピューターのことです。
本来1ビットは0か1のどちらかしか表現できませんが、1量子ビットは0と1の両方を扱えます。
同時に複数の状態で表現できることを「重ね合わせ」と呼び、観測するごとに結果が異なるという特性が超並列計算処理を可能にしているのです。

本来、4ビットで情報を表す場合、16通りある結果のうち本来1つしか出力できませんが、量子ビットならすべてを一度に表すことが可能となります。
高速化の鍵はシステム内の各量子ビットの状態が、他の量子ビットすべての状態と関連付けられる「もつれ」という特性にもあるでしょう。

 

量子コンピューティングの優位性

量子コンピューティングは、古典コンピューターの上位互換といえるもので、古典コンピューターより速く問題解決ができることや、莫大な情報量を扱える高い処理能力があります。
莫大な数と素材を組み合わせることや、複数のチェックポイントを経由するような交通ルートを導き出すなど、最適なパターンを見つけ出すことが可能です。

指数関数的に複雑な計算と処理は、重ね合わせともつれの特性を利用し、情報に関する可能性と検討をします。
その上で、量子力学的な波の特性を利用し総合的にベストな回答が判明するまで、異なるアプローチで可能性の取捨選択を行うのです。
量子コンピューティングの特性は、複雑な情報を処理する要となっていますが、完全な量子コンピューティングは存在していません。

 

 

 

量子コンピューティングの種類

量子コンピューティングは、仕組みによって2つの方式がありますので確認してみましょう。

 

量子ゲート方式

量子ゲート方式は量子回路方式と呼ばれることもあり、さまざまな用途や場面で用いることができるため高い有用性があります。
長年待望されており、将来的にはスーパーコンピューターに代わるものと考えられているでしょう。
日常で使っているデータの暗号技術は、素因数分解により復号ファイルがなくても解除できますが、現在のコンピューターでは半永久的な時間を要し現実的ではありません。

暗号化技術が強固なのは、このような要因が関係しています。
しかし、量子ゲート方式が実用化されると、瞬時に復号され内部データの閲覧ができるかもしれません。
既存のものを基礎から大きく塗り替える存在になる可能性がありますが、本格的な実用化には問題点をクリアする必要があると考えられています。

 

量子アニーリング方式

実用化に最も近い状態である量子アニーリング方式ですが、実際は世の中に普及していないだけで、現実には一部の団体などで運用が始まっています。
超低温状態を維持する必要があったデメリットや、エラーを訂正するために最低でも数1000量子ビットが求められているでしょう。
D-Wave Systems社の最新機種は2000量子ビットを備え、量子コンピューティング製品を世に出し、さまざまな製品やサービスを提供しているのです。

NASA、USRA、Googleによる検証で、古典コンピューターより1億倍高速であると発表し、注目を集め応用が進んでいます。
しかし、欠損しているビットや量子ビット間の結合数が少ないため、規模が小さく定式化が難しいという課題も残されています。
そのため多くの企業や団体が、汎用の量子コンピューティングの開発と、組合せ最適化問題を解決する専用マシンの研究開発を行っているのです。

 

量子コンピューティングのメリット

古典コンピューターの計算、処理能力の限界はやがて来るといわれており、技術の向上も望めません。
しかし量子コンピューティングは、限界を遥かに超えた情報の処理ができるため、多くの団体が研
究をしているのです。
古典コンピューターでは計算できないものや、膨大な量のパターンを組合せ最適なパターンを導き出すような計算を、瞬時に行えるようになるでしょう。

原理上、低電力で処理できるという特性もあり、地球環境を考えたコンピューターともいえます。
ビッグデータの解析技術やAIの能力向上が見込め、新薬の開発スピードや効率化、交通システムの改善などの活用へつなげられるでしょう。

 

まとめ

量子コンピューティングの実用化には多くの課題が残されていますが、着実に技術が進歩しており、今後急速な進化が予想されます。
また、量子アニーリング方式は既に実用化を実現しているので、完璧な実用化も先の話ではないかも知れません。

社会に新しい希望をもたらす技術や、可能性を秘めている量子コンピューティングで、私たちの生活が便利になる日は近いのです。

 

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