皆様は『SWOT分析』という言葉を知っているでしょうか。
それは自社の現状を分析し、把握するための方法の一つです。
今回のコラムではSWOT分析について記そうと思います。
SWOT分析は、自社の現在についてを分析する方法です。
この方法で分析する項目は以下の四つとなります。
■Strength(強み)
自社や自社のサービスが持つ強み。 企業内で利用可能なリソースや、競合他社よりも優れている特徴など。■Weakness(弱み)
自社や自社のサービスが持つ弱み。 企業内で利用可能なリソースの制限や、競合他社に後れをとっている部分など。■Opportunity(機会)
自社外部をとりまく環境の中で、企業にとってプラスとなる機会。■Threat(脅威)
自社外部をとりまく環境の中で、企業にとってマイナスとなる脅威。 上記の中での強みと弱みは、企業内における『内部環境』。 機会と脅威は、企業の外部における『外部環境』といいます。 適切なSWOT分析を行うことにより、以下の事柄を洗い出す事が可能です。 ・自社が成長するために必要な事。 ・自社が克服すべき課題について。 ・外的環境によって得られる恩恵。 ・外的環境に存在する脅威について。 強み、弱み、機会、脅威。 それぞれを総括して考える事は、マーケティング戦略を確立する際に役立ちます。 たとえば、『強み』は企業の成長において必要なものです。 自社が持つ技術や物資などを確認することにより、他社とどのように差別化を図るか、また顧客にどのようなサービスを提供できるかを明確化します。 そして『弱み』は、企業が解決すべき課題を調べるのに必要な事です。 競合他社と自社を比べた際に浮かび上がる課題や、自社に不足しているリソースの問題などがこれにあたります。 それぞれの課題を解決していく事により、企業の基盤を固める事が出来ます。 『機会』は企業にとってのビジネスチャンスについての要素です。 現状で恩恵を受けられている部分や、将来的に起こる好機についてをまとめていきます。 しかし、単に外部要因におけるイベントを羅列するだけでは不十分です。 それぞれの機会をどのように企業の成長に活かせるか。それを考える必要があります。 『脅威』は企業における危機です。 たとえば競合他社によってもたらされる経済的なマイナスなどがこれに当たります。 これによって企業の強みを打ち消されてしまうような事態も起こり得ます。 企業努力では解決出来ない問題はあるものの、脅威の動向を調べる事によって、受けるダメージを最小限に抑える事が出来ます。
クロス分析
SWOT分析を総合的に考える際、それぞれの要素を掛け合わせて考える手法を『クロス分析』といいます。 単体ではうまく活かせなかった情報も、クロス分析によって企業に必要な情報を生み出せる場合があります。 クロス分析とは、以下のような内容になります。 ■『Strength(強み)』と『Opportunity(機会)』を掛け合わせる。 自社の強みによって得られる外部環境からの恩恵などを調べる。 外部要因によるプラスを得るため、自社内の強みを最大限に活かす方法を考える。 ■『Strength(強み)』と『Threat(脅威)』を掛け合わせる。 自社の強みによって競合他社との差別化を図る場合などに役立つ。 その場合、市場や他社の動向に目を向ける必要がある。 ■『Weakness(弱み)』と『Opportunity(機会)』を掛け合わせる。 自社の弱みによって機会を取り逃してしまう場合を想定する。 販売機会の喪失を最小限に留める方法を調べます。 ■『Weakness(弱み)』と『Threat(脅威)』を掛け合わせる。 自社の弱みと脅威が重なると、企業においての大きな危険となる。 事業を存続させるか、撤退するかを選択しなければならなくなる場合もある。 上記は一例ですが、それぞれの情報の組み合わせによって得られる要素もあります。 それぞれの要素は、どれも企業の存続や成長に大切なものです。 四点の情報を有効に活用して戦略に盛り込めるのは、SWOT分析における大きなメリットといえるでしょう。SWOT分析を行う上での注意点
SWOT分析は企業戦略を立てる上で非常に有用です。 しかし、その性質や用途を事前に把握した上で利用する必要があります。 分析した情報をどのように利用するかを事前に決めておかなければならない ただやみくもにデータを集めるだけでは、正確なSWOT分析を行う事は出来ません。 企業戦略のどの部分でデータを利用するかによって、必要な情報は異なります。 たとえば、自社の置かれている環境の中でどのように強みを活かすのか。 脅威がある場合はどのようにして被害を食い止めるのか。 SWOT分析を行う場合は、事前に収集する情報を決めておく必要があるでしょう。SWOT分析を行ったら社内で情報の共有を
SWOT分析で得られる情報は広域的なものです。 複数の部署がある場合などでは、それぞれの部署間でSWOT分析の内容を共有しましょう。 情報を共有する事によって業務の方針が一貫し、社員が各種の課題に取り組みやすくなります。 それはSWOT分析を最大限に活かす結果に繋がります。さいごに
今回はSWOT分析について記させていただきました。 SWOT分析は企業戦略において基本的な分析方法です。 そこから得られるデータは企業を発展させる事や、弱みをカバーするために役立ちます。 クロス分析を行えば、その有用性は非常に大きなものとなります。 これからの時代を生き抜くためには、自社だけでなく他社や環境についてを知る必要があると言えるのではないでしょうか。 最後までお読みいただきありがとうございました。