MVP(Minimum Viable Product)という考え方

  近年、MVPという考え方が経営者の間で有名になりつつあります。 特に市場の進化が早い分野では、いかに早く顧客のニーズを掴んで製品を生産するかが重要になるため、MVPが最適な考え方といえるでしょう。 そこで今回は、ハイテク分野で一際人気の高いMVPについてご紹介しつつ、そのプロセスも解説いたします。 これからMVPの導入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。  

MVPとは

MVPとは、製品を提供する場合に必要最低限の機能のみを持つ、シンプルな製品を指します。 また一般的には、顧客価値に見合った、利益を生み出せる最小限のものと考えられています。 この考え方はFrank Robinson氏によって定義され、起業家兼学者のSteve Blank氏と、リーンスタートアップを提唱したEric Ries氏によって広められました。 MVPにおいては、顧客の価値基準を丁寧に理解することやどの顧客層をターゲットにするかが非常に重要になります。 適切な判断基準を備えていれば、新商品の開発を執り行うまでの流れをシンプルに表現できるといえるでしょう。 また、開発の流れの中でPDCAを繰り返して開発を進めるのか、もしくは必要性が無いと判断して開発を中止するのかを判断する際に、MVPが役立ちます。  

MVPのプロセスとは

製品開発における従来のプロセスは、まずコンセプトの形成と計画を行い、次に計画の実行、そして最後に成果の公開やフィードバックを行っていました。 そのため、製品が市場に出るまで顧客に受け入れられるかは未知数であり、仮に製品の反応が良くない場合は、再び1から開発するという可能性も無くはありません。 このような従来のプロセスとMVPのプロセスには、いくつかの異なる箇所があります。 ここからは、MVPのプロセスについて大きく4つの段階に分けてご紹介いたします。  

市場に出す

まず最初に、限られた機能のみを実装したシンプルな製品を市場に出します。 MVPのアプローチでは、最も顧客の需要が高いであろうと考えられる機能に特化した商品を開発し、顧客の反応を伺います。 多数の機能が実装されているわけではないので、コストを安価に抑えることが可能です。 このように、MVPでは最初の反応を確認してから、徐々に製品に改善を加えていくのです。  

フィードバックを得る

市場に出した後は、市場に製品を出したことで得られるフィードバックを確認します。 早い段階でフィードバックを得られるので、製品の機能やデザインなどを早期に見直すことが可能です。 また、実際に顧客の意見を取り入れるため、無駄な手順を踏むことなく、ほぼダイレクトにニーズに合った改善を行えます。 従来のアプローチが仮説・検証に力を入れていることに対し、MVPのアプローチでは開発のスピードが段違いに早いです。 そのため、上司やお客様への報告に早急性を求められるケースにおいて、MVPのアプローチが効果的と言えるでしょう。 また、機能やデザインに対するフィードバックだけでなく、その製品に対しての対価を利用者に聞くこともあります。 対価を聞くことで、製品に対する顧客の価値観を知ることができるほか、市場の予算感も測れます。 製作者側と顧客側の価値観のギャップを埋めることは、製品開発において重要な要素といえるでしょう。  

必要な新機能を検討する

上記で得たフィードバックをもとに、さらに必要な新機能を検討します。 一方で新しい機能を付け加えるだけでなく、不必要な機能の排除を行うことも少なくありません。 従来であれば、初期の製品段階である程度の機能を実装させるため、想定外の費用が発生するケースがありました。 しかし、MVPでは初期の段階で機能を詳細に練っていくため、比較的少ない費用で始めることができます。 また、よく行われる手法として、製品に新機能を加える前に製品のWEBサイトで新機能の広告を載せることがあります。 広告には機能の詳細が書かれているリンクページを用意し、リンク先に現在開発中である旨を記載すれば準備完了です。 このような手法でリンク先の訪問者数を調査すると、新機能の開発を始める前にニーズを適切に判断することができます。  

上記のプロセスを循環させる

良い製品を開発するためには、数多くの顧客の意見を聞き、ニーズを知ることが非常に重要です。 上記でご紹介した製品の改善とフィードバックの調査、市場に出して再びフィードバックを得る、というプロセスの流れを繰り返すことで、より一層顧客のニーズを満たす製品に近づくことができます。 顧客目線からは良質な製品を手にすることができ、本当に必要なものを得られるので、顧客満足度が高くなり、良い口コミにもつながるといえるでしょう。  

MVPを実践するためのポイント

MVPのプロセスについてご紹介いたしましたが、ここからはMVPを実践するためのポイントをご紹介します。 製品を市場に出した時に顧客から適切なフィードバックを得るには、顧客が理解できる製品を提供する必要があります。 MVPの検証では流行に敏感なアーリーアダプターへのアプローチが必要不可欠なので、まずはシンプルな機能に留めておき、ニーズを汲み取ることに専念することが大切です。 また、MVPでは最初から完璧なものをつくろうと思わないことも重要です。 失敗している製品の中には、不要な機能が多すぎることが原因になっている場合が多々あります。 そのため、常に市場の反応を確認しながら、本当に必要な機能のみを実装することを心がけましょう。  

まとめ

MVPという考え方は、起業したばかりの企業にとっては特に理想的な戦略と言えます。 初期投資費用を大きく抑えることができる上に、開発のスピードも早いため、短期間でブラッシュアップした製品を提供したい場合に便利です。 また、最終的には顧客のニーズを最大限に反映した製品が完成するため、顧客満足度を向上させることもできます。 顧客側は必要な機能が備わっている製品を利用でき、win-winの関係性を構築できるといえるでしょう。 製品開発の戦略を検討中の方は、ぜひMVPを活用してみてください。

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