顧客体験を向上させるにはどうしたらよいか(EC編)

今、EC通販で生き残るには、対面販売ではできない、EC通販ならではの接客術や顧客体験(CX)で満足度を高める必要があります。 リアル店舗でもEC通販でも、モノを売る上で重要となる顧客体験(CX=カスタマーエクスペリエンス)。 店舗では、お客様と顔を合わせて、ニーズのある商品などをダイレクトに汲み取ることができ、また、おすすめ商品を紹介することができますが、EC通販ではそれができずに悩んでいたり、「リピート率をアップしたい」「自社商品のファンを増やしたい」と思われている方も少なくないと思います。   そこで、「現代のEC通販における顧客体験(CX)の重要性」や「1人ひとりに最適な顧客体験を生み出すための方法」などについてご紹介します。    

過去から現代にかけての顧客体験

まず、EC通販が流行する以前の顧客体験について解説します。 例えば、初めてノートパソコンを購入する人の顧客体験とはどのようなものでしょうか。 EC通販がまだ浸透していなかった時代、購入者は家電量販店のパソコン売り場へ行き、デモ機に触れたり、実際に操作をしてみるなどして使い心地を確認します。 また、付属品なども一緒に買おうかと思い、店員に声をかけて初心者向けのノートパソコンや他に必要な商品について尋ね、持ち運び用のパソコンケース(バッグ)を購入します。   最後に、店員さんから「パソコンのセットアップ方法や簡単な操作方法は、商品に同梱されている説明書を見ればわかる」と説明を受けました。 このとき、リアル店舗が提供している価値は「陳列」「使用感の確認」「商品選定アドバイス」「商品の購入」です。   そして、2000年代以降のショップの価値は、EC通販が主流となりました。 購入者は、事前にインターネットで検索し、初心者向けノートパソコンなどの情報を解説する記事を探し、購入前の事前知識を身につけます。 調べた結果、パソコン本体の他、ハードディスクの容量や、動作の早さなど、快適に使用するためにスペックも重要だとわかりました。 その後、EC通販で「ノートパソコン」と検索し、気になったパソコンの評価レビューをチェックし、高評価だと安心してカートへ入れることができます。 また、同時購入を促す「オススメ表示」にあった、パソコンケースも一緒にカートに入れて購入完了しました。 このとき、EC店舗(Amazonなど)が提供している価値は「陳列」「(他者の)使用感の確認」「商品選定アドバイス」「商品の購入」で、このうち一部の価値は、店舗(Amazon)にアクセスする前に見たブログなどの情報サイトが担っています。   このように、過去ではリアル店舗のみの顧客体験だったものの、現代ではEC通販での顧客体験も重要となってきています。        

EC通販だからこそできる顧客体験

コロナ禍よる、世の中のEC化率は高まるばかりです。 今後もEC通販が当たり前になればなるほど競争率も上がり、自社のサービスの内容や質が問われることになります。 1990年代後半から2000年代にかけてEC通販が出始め、現代ではECは単純にものを買うだけの場所ではなくなってきました。 しかしながら、EC通販での接客やサービス展開が、具体的に何をすれば良いのかわからないと悩む方も多いと思います。 とくに重要となるのは、「商品関連知識の提供」から「商品説明」、さらには「発送等の購入後の対応」など、お客様の期待を上回るような心理的・感情的な体験を提供することです。   1995年にwindows95が発売されると、パソコンでのネット接続が身近なものとなり、インターネットの普及が始まりました。 1996年には国内初の商用検索サイト「Yahoo!JAPAN」がスタート、97年にインターネット・ショッピングモール「楽天市場」がオープンし、2000年には「Amazon.cp.jp」が国内参入。 書籍の販売からCD・DVD、家電、おもちゃ・ホビーなど取扱商品の幅を広げました。   また、現代では「1人ひとりに対するアプローチ」が大切となります。 EC通販において、購入者は多彩なサイトやSNSから他店舗の情報など、大量に収集できるため、リピートをしてもらうことは容易ではありません。 その中で、消費者が特定のショップで買い物したり、また継続的に利用したりする理由は、商品力もさることながら、そこで得られる個人的な体験や、家族や友人の口コミなど他者の体験が大きく影響していることがわかっています。   たとえば、顧客体験の施策の代表例としてメルマガがあります。 メルマガが届いても開封すらされないことが多く、購買行動を掻き立てるためのもう一歩踏み込んだアプローチが必要となります。 消耗品なら購入者や使い切るタイミングで、次回購入のアナウンスや割引クーポンをメール配信する。 ある商品を何度も閲覧しているのにカートに投入されないなら「この商品を見た人はこんな商品も見ています」といったレコメンドメールを送信する、など1人ひとりに対するアプローチをすることが重要になってきます。    

満足度向上に向けた取り組み例

現代では、ノートパソコンを求める購入者はまず、友達や知人がSNSに投稿したパソコン画像を見て気に入り、Google検索で初心者向けパソコン情報を掲載しているパソコン販売の公式サイトを探します。 いくつか見てから、パソコンのセットアップ方法が丁寧に解説されていたサイトに戻り、サイト内にあるパソコンの商品ページに移動して、評価レビューをチェックします。 高評価のパソコンをひとつ選んでカートに入れ、レコメンドされていたパソコンケースも一緒にカートに入れて購入完了しました。 この商品購入だけをゴールとはせず、ここからの「顧客体験の提供」が今後ショップの価値を左右する腕の見せ所になります。   顧客体験STEP1:商品到着後~パソコン購入からセットアップまで~ パソコン販売店(初心者向けパソコン情報掲載)の公式サイトで、パソコンを1つ購入しました。 商品到着から数日後、お店からメールが届きます。 「パソコンのセットアップに困っている方へ、各種設定方法の解説動画のご案内」 そして、その動画を見ながらパソコンをセットアップできたので、スムーズにパソコンを使い始めることができました。 顧客体験STEP2:パソコンに慣れてきたタイミング~便利ソフトの導入~ パソコンに慣れてきたタイミングで、またメールが届きました。 「資料作成に困っていませんか?ワードやエクセルを使って、便利にパソコンを活用しましょう」 たしかに無料の資料作成ソフトでは、機能的にイマイチでもっと充実した機能で、見やすい資料を作成したいと思っていました。 そこでさっそくMicrosoft Officeを、追加で購入しました。 このとき、ショップが提供している価値は、商品購入にとどまらず、商品を手段として「パソコンを便利に活用すること」を支援しているといえます。 このような一連の体験をすることで、ショップへの信頼が生まれるため、今後もこの購入者はパソコン関連商品をこちらのショップで購入し続けることでしょう。    

まとめ

今回は店舗とは異なる、EC通販ならではの顧客体験について説明させていただきました。お客様による情報取得方法が多様化し「情報で選ぶ時代」となった今こそ、EC通販でどのような顧客体験を与えることができるのかが重要となります。 EC通販における顧客体験のための施策を強化することで、アピール力が増すとともに、売上や利益も増えることが見込まれます。 時代に置いていかれないためにも「顧客体験を向上させるためには何をすべきか?」といった企業努力は必須であり、また実行していく価値は大いにあるといえるでしょう。  

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