貴方は「理論派デザイナー」それとも「感覚派デザイナー」?

 今回は、巷に溢れているデザイナー職を「理論派デザイナー」「感覚派デザイナー」に分けて考察してみたい。  デザイナーという業種は、活躍している幅は広く、さまざまな種類があり単純に思い浮かべるだけでも、何十通りもあると言ったら驚かれるであろうか。 また、デザイナーはファッションデザイナーに代表されるように、一見非常に華やかにみえる業種である。 しかし、非常に人気のある業種である割には、あまり内容を語られることが少ないのも事実である。 そこで、今回は一風変わった分類法にデザイナーについて考察し、その上で、デザイナーを知る上で少しでも一助になれば幸いである。    デザイナーとは、あらゆるモノのデザインを考える仕事で、あらゆるモノというのは、私たちが普段何気なく使っているモノから自動車や飛行機といった人を乗せる乗り物、住宅や図書館、美術館、ビルなどの大きな建物まで幅広くデザインする業種である。  例えばデータの積み上げに重きをおく「理論派デザイナー」であっても、感性に重きをおく「感覚派デザイナー」であっても、決して自己中心的な仕事はせずに、こだわりを持ちながらも、仕事に関わる方々との協調性を疎かにしないでいくことが大切である。  貴方の身の回りにも、ファッションデザイナーやwebデザイナーだったり、最近注目を集めているUIデザイン(パソコンなどの画面で操作しやすい表示をデザインする)等で、数多くの恩恵を受けていて、デザイナーであっても業種を超えてもおさえるべきポイントは変わらないのである。 そのため、webデザイナーがいい例であるが、デザイナーは自分のクライアントだけを意識するのではなく、クライアントの先にいる多くの人々の目に触れることを念頭におく必要がある。「デザイナー」は私たちの生活に密着したとても身近な業種なのである。 このように、多くの人々が対象にあるため責任は重いが作業完了時の達成感もまた大きいのである。    多くのデザイナー職では資格は存在しない。そもそもデザイナーという業種も定義があいまいであり、貴方が今日からデザイナーを宣言すれば立派なデザイナーである。 ただ、「理論派デザイナー」は理系、「感覚派デザイナー」は文系に大まかにではあるが分類されることが多いので、その点は見極めて目指すデザイナー職を考慮していただきたい。(これはあくあでも一例であって全てではないことをここで断っておく) これから流行しそうな流れをキャッチする感性も必要となり、デザイナーは実力や実績で判断されるため、日頃から自分のデザインセンスを磨く努力が必要となる。 しかしながら、ただ知識を詰め込むためだけの勉強ではなく、多くのデザインに触れ、観察し、何よりも新しい発見を楽しむことが大切である。      デザイナーの代表格であるファッションデザイナーを例にあげると、作品が完成する実1~2年前から完成形を見据え、クライアントの要望や商品企画に基づいてラフスケッチを描き、デザインする必要もあるので大なり小なりのデザインスキルは必要となる このように、「理論派デザイナー」「感覚派デザイナー」のどちらでも予めゴールがしっかりしていないと先に進めば先に進むほど後戻りに莫大なロスが発生することになる。   作業を後戻りさせて時間ロスが発生しないように、どの業種のデザイナーでもゴールをしっかり定め、デザインスタート時にあらかじめ決めておく必要がある。  一見、個人のスキルで成り立っているように見えるファッションデザイナーも「感覚派デザイナー」に含まれると思われるが、必ず論理的に必要なステップがあるのである。そのため、もちろん自らの勘だけではなく蓄積された経験によって成り立っていることを知っておいてほしい。  一転してwebデザイナーに代表される「理論派デザイナー」であるがクライアントの要求の意見が最終目標になることが多いので、一見するとあまり感覚は必要ないと思われる。 実際にはデザイナーにはマーケティングによって市場の動向を正確にとらえ、成果物に落とし込んでいく必要がある しかし、クライアントは成果物に+αを求めてくるので、そこはまた感覚が必要になることがある    このように実際には「論理派デザイナー」と「感覚派デザイナー」は単純に分けられる訳ではなく、どの業種でも多様なスキルが絡み合って成り立っているのである。   代表的な「論理派デザイナー」「感覚派デザイナー」の分類  
論理派デザイナー 感覚派デザイナー
メリット ・ゴールが見えやすいため、進捗状況が把握しやすい   ・ベースとなる資料が数多く存在する ・決まったゴールがないため、創造性を発揮しやすい   ・事前準備に割かれる事案が少ない
デメリット ・コツコツと積み上げていくため、時間がかかってしまう   ・コミュニケーション能力が必要 ・製作者のスキルに負うところが大きい   ・一人または少人数チームのため、その場でミスが見つけにくい
代表例 ・webデザイナー ・グラフィックデザイナー ・UI/UXデザイナー ・ファッションデザイナー ・CGデザイナー ・インテリアデザイナー
   一見、バラバラに思える各種デザイナーであるが、一つ一つ読み解いていくと「論理派デザイナー」と「感覚派デザイナー」は背反する業種ではなく、お互いに補完する関係であることが明確になったと思う。  最後に、アップルコンピュータの創始者である、スティーブ・ジョブズ氏の言葉をご紹介したい。    『デザインとは単なる「見た目」のことではない。デザインとは「どう機能するか」である』(ニューヨーク・タイムズの記事「The Guts of a New Machine」より)    もちろん見た目も大切であるが、それ以上に何のためにデザインし、どのように使うのかという目的を満たすことを忘れずに一歩一歩歩んでいければいづれ大きな達成感を得られるであろう。  

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